01-2_1_02  国政政党・国会議員の香害への取り組み

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(2022.6.18更新)

参議院 消費者問題に関する特別委員会(第五回 2022.5.11)で福島みずほ議員(立憲民主・社民) が香害について非常に鋭い質問を行い、文科省から各学校の状況、対策をヒアリングをしていく、消費者庁からマイクロカプセルと香害について関係省庁と連携して因果関係の知見を深めたいとの重要な答弁を引き出しました。

・文科省は個別対応を重視するとの答弁ではあったが、そのために教師用の資料を用意する、香りに対する配慮のために5省庁連盟香害啓発ポスターの活用をうながす、さまざまな専門家の声にしっかり耳を傾け最新の知見を注視しながら必要な取り組みを進める、各学校において学校でどのような状況になっているか、どのような対策をしているかしっかりヒアリングをしていくとの答弁

・厚労省は昨年作成したポスターの印刷版を用意したので、ひきつづき現場での香りへの配慮について周知に取り組むとの答弁

・消費者庁には柔軟剤を家庭用品品質表示法の指定品目に加えることを求めたが、「購入者が購入時に品質を知るためのものなので該当しない」との答弁。福島議員は「実際柔軟剤によって服を棄損したり被害があるので、表示をすべきと考える」とさらに突っ込んだ質問を行った。また「昨年作成した香害啓発ポスターの増刷をしたので、使用量に気を付けるなど香りの配慮の啓発を進める」との答弁を引き出した。

また、消費者庁へのマイクロカプセルと香害の科学的知見について調べるべきという質問では「関係省庁と連携して因果関係について知見を深めたい」との重要な答弁を引き出した。

参議院 消費者問題に関する特別委員会(第五回 2022.5.11)香害についての質問は0:29:12~ 0:45:17:https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
参議院インターネット審議中継のページで該当の会議を選び、ポップアップウインドウで発言者の名前をクリックするとそこから動画が再生されます。

国会会議録検索システム 第208回国会 参議院 消費者問題に関する特別委員会 第5号 令和4年5月11日 発言の書き起こしを見ることができます。発言No. 名前などで検索の絞り込みができます。当該発言と答弁は、No. 022 – 044 : https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=120814536X00520220511&current=1

  • 福島みずほ議員の質問:022 024 026 028 030 032 034 036 040 042 044
  • 政府参考人 文部科学省大臣 茂里毅 官房学習基盤審議官 の答弁:023 025 027 029

029「御指摘いただいた点につきまして、実際学校現場でどのようになっているか、またどのように取り組んでいるか、しっかりとヒアリングなどを行っていきたいと思います。」

  • 政府参考人 厚生労働省大臣 山本史 官房審議官の答弁:031 033

031「この香りというものへの配慮につきまして、昨年八月に厚生労働省を含む五省庁連名で香りへの配慮に関します啓発ポスターを作成しまして、さらに、それを厚生労働省としても自治体やチェーンドラッグストア協会などを通じまして関係者に当該ポスターの活用などを依頼したところでございます。厚生労働省といたしましては、引き続き更なる周知を行うべく、例えば、昨年作成いたしましたポスターを、今年度は印刷物を用意いたしまして関係団体等に配布して、現場での香りへの配慮についての啓発に一層活用していただくなどの取組を検討しているところでございます。今後とも、関係省庁と連携しながら、香りへの配慮について周知に取り組んでまいりたいと考えております。」

  • 政府参考人 消費者庁 片岡進審議官の答弁:035 037 039 041 043

035「香り付き製品の使用に当たって使用量の目安などを参考に周囲の方々にも配慮していただくことを啓発することを狙いとして、令和三年八月に五省庁連名の「その香り 困っている人がいるかも?」と題したポスターを作成をいたしました。ポスターは、全国の消費生活センター、都道府県等に配布しているほか、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省を通じても周知を進めているところでございます。今年の三月にはポスターを増刷をして更に配布をしているところでございまして、啓発を通じて多くの皆様に香りへの配慮が必要と認識していただけるように、取組をまずは進めてまいりたいと思います。」

043「御指摘のマイクロカプセルと健康被害、香害との関係につきましても、関係省庁と連携をして、しっかりとその因果関係等について知見を深めてまいりたいというふうに考えてございます。」


2022年2月28日、参議院予算委員会で杉久武参議院議員(公明党)が香害について質問をしました。香害被害当事者から寄せられた声に応えたもので、突っ込んだ内容の質問になっています。岸田総理から必要な研究を進めること、「公的な場を始め様々な場におけるこの香りへの配慮、こうしたものについて周知を図る、こうした取組も進めていかなければならない」との答弁を引き出しました。この答弁以降、厚労省の香害対策に対する姿勢が変わりました。被害者の声は国政を動かす力があります。香害被害を受けたら、その都度188に電話して国民生活センターに被害報告をしましょう。そして被害報告ともに、地方議員、国会議員に被害をなくすための条例、法律を作ってほしいと訴えましょう。市民からの被害報告が多くなれば、行政も議員も内閣も香害を無視することは出来なくなります。声を上げて、香害を可視化しましょう。黙っていると、被害はないことになってしまいます。声を上げましょう。

「参議院インターネット審議中継」で収録動画を見ることができます。カレンダーから会議の日付を選ぶと、同日に行われた会議の一覧が表示されます。会議名をクリックすると、動画が再生されます。
杉久武議員 香害についての質問 (4:04:19 – 4:09:53) : https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

「国会会議録検索システム」で発言の文字起こしを閲覧できます。各発言には通しNO.がふられています。キーワードを入力すると、発言を絞り込んで表示することができます。
第208回国会 参議院 予算委員会 第4号 令和4年2月28日https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=120815261X00420220228&current=1

香害に関する質問は、348〜354
杉久 武 参議院議員:348, 350, 352
後藤 茂之 厚労大臣:349
消費者庁 高田 潔 次長:351  
岸田 文雄 総理大臣:353

349 後藤茂之 ( https://kokkai.ndl.go.jp/txt/120815261X00420220228/349 )
○国務大臣(後藤茂之君) お尋ねのいわゆる香害につきましては、必ずしも明確な定義があるわけではありませんけれども、柔軟剤等の香料として使用される微量な化学物質によりまして、頭痛や吐き気等、様々な症状を訴える方がいるということを承知しております。
 しかしながら、これらの症状について、現時点では、どのように微量な化学物質が関与しているのか、どのような体内の変化が症状を引き起こすのかなど、メカニズムに未解明な部分が多いというふうに認識いたしております。
 現在、厚生労働科学研究において、微量な化学物質等により頭痛や吐き気等の多様な症状を来す病態の解明に関する研究が進められております。厚生労働省としては、引き続き、こうした研究の支援等も通じまして、科学的な知見の収集等に取り組んでまいりたいと思います。

351 高田潔 ( https://kokkai.ndl.go.jp/txt/120815261X00420220228/351 )
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 柔軟仕上げ剤の香りについて、全国の消費生活センター等には、柔軟仕上げ剤の香りで頭痛や吐き気がしたなどの相談が寄せられております。
 香りの強さの感じ方には個人差があり、自分にとって快適な香りでも不快に感じる人がいることを御理解いただくとともに、香り付き製品の使用に当たっては使用量の目安などを参考に周囲の方々にも配慮していただくことを啓発することを狙いとして、「その香り 困っている人がいるかも?」と題したポスターを作成いたしました。ポスターは、全国の消費生活センターや都道府県等に配布しております。加えて、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省を通じても周知を進めているところでございます。
 このような啓発を通じ、多くの皆様に香りへの配慮が必要と認識していただけることを期待しております。

353 岸田文雄 ( https://kokkai.ndl.go.jp/txt/120815261X00420220228/353 )
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほど消費者庁からも答弁がありましたが、香りの強さの感じ方には個人差があります。自分にとって快適な香りでも不快に感じる人がいることから、周囲への配慮が必要であると考えます。そして、引き続き、必要な研究、これは進めなければなりません。
 そして、その上で、今委員もおっしゃったように、公的な場を始め様々な場におけるこの香りへの配慮、こうしたものについて周知を図る、こうした取組も進めていかなければならないと考えます。


(2021.11.16)

香害問題に関しては大河原雅子衆議院議員(立憲民主党)、福島みずほ参議院議員(社会民主党)、高橋千鶴子衆議院議員(日本共産党)が積極的に活動してくださっています。国政政党の動きとしては、2021年10月にれいわ新選組が発表したマニフェスト「れいわニューディール」には、実態調査、医療、無香料ポリシー、香料の成分開示など充実した内容の化学物質過敏症への対策が盛り込まれています。また、れいわ新選組の舩後靖彦参議院議員は、2021年に文部科学省に香害に関する質問を出し、行政交渉を行いました。

2021年 れいわ新選組マニフェスト『れいわニューディール』付属文書05_れいわの医療政策
https://reiwa-shinsengumi.com/reiwa_newdeal/newdeal2021_05/

1:化学物質過敏症の原因物質について一層の調査を徹底する
2:被害に苦しむ方の向けの医療体制を整備するなどの対策を講じるなどの対策を取り、被害に苦しむ方に寄り添います。
3:「香り」の問題については、アメリカの一部自治体が推進しているように、職場・医療関連施設・学校などを無香料にするなど、原因物質となる化学物質を予防原則によりできるだけ使用しない環境を確立します
4:香料の成分表示について、まだ義務化されていないものについても家庭用品品質表示法上の指定品目などと成分表示を義務付けることを検討します。


以下は福島みずほ議員、大河原雅子議員、高橋千鶴子議員の香害に関する答弁の一部へのリンクです。

第204回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第3号 令和3年4月9日
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=120415328X00320210409&current=1
発言No.:073ー120
質問者:福島みずほ 
政府参考人:環境省大臣官房審議官 森光 敬子:厚生労働省大臣官房審議官 宮崎敦文
:消費者庁審議官 片岡進:文部科学省大臣官房審議官 蝦名喜之:消費者庁審議官 片桐一幸

環境省、厚労省、消費者庁、文科省に香害被害への認識、マイクロカプセルの規制、香害啓発ポスター作成時期など政府の香害啓発活動、医療・介護現場での香り付き製品の禁止、学校現場の香害にどう取り組むかなどについて質問。

文科省から「現在のところの取組については先ほど述べたとおりでございますけれども、引き続き研修などの機会を通じて、これは現状では自治体によりかなり取組に差もあると思いますけれども、かなり先進的な取組をしている自治体の取組の横展開といったようなことも含め、そうしたことの各自治体における共有に私どももしっかりと協力をしまして、各自治体における取組を促していきたいと考えています。」という答弁を引き出した。(https://kokkai.ndl.go.jp/txt/120415328X00320210409/112)

福島みずほ議員の質問・回答の内容、過去の香害に関する答弁の情報


第204回国会 衆議院 予算委員会第四分科会 第2号 令和3年2月26日
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=120405270X00220210226&current=2
発言No.:224ー236
質問者:大河原雅子 
回答者/政府参考人:文部科学大臣 萩生田光一(萩生田国務大臣):文部科学省初等中等教育局長 瀧本寛

萩生田国務大臣から「今日、いわゆる香害について先生から初めて詳しく御説明を聞きました。
 においというのは人によって好き嫌いがいろいろあるかもしれないんですけれども、実際に体に異常を来して、ましてや学校に来れなくなるという児童がいるというようなことだとすれば、これは極めて重い課題だというふうに思います。
 文科省だけで解決できないこともあると思います。消費者庁や例えば経産省などとも連携しながら、その物質の特定というのはどうやってやっていったらいいのか、あるいは、どういうものに対して、どういう製品に対してどういう反応をする子供たちが多いのかなどは、少し考えてみる必要があるのではないかなと思っております。
 同時に、五省庁の担当者会議は外部の意見を直接伺う場ではないのですが、各省庁の情報共有を行う場であると承知しておりますので、本日先生から賜りました御意見や御指摘について、今後、担当者会議においてしっかり共有をしてまいりたいと思いますし、また、各教育委員会からも様々な情報収集をしてまいりたいと思います。」という答弁を引き出した。(https://kokkai.ndl.go.jp/txt/120405270X00220210226/235) 下記動画では17分30秒あたり)

この答弁の動画:衆議院 2021年02月26日 予算委員会第四分科会 #14 大河原雅子(立憲民主党・無所属)
https://www.youtube.com/watch?v=a8y9SSeg0hk

大河原雅子議員の質問・回答の抜粋、過去の香害に関する答弁の情報


第198回国会 衆議院 厚生労働委員会 第17号 令和元年5月15日
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=119804260X01720190515&current=9

発言No.:225ー227
質問者:高橋千鶴子
回答者:厚生労働大臣 根本 匠

「(前略)それでも、まだこの子たちは、学校が理解をしてくれてそこまでたどり着いたんだけれども、実際には通えないという子供たちがたくさんいるんだということ。この香害について、大臣は承知しているのか、どんな認識をお持ちか」

193回 予算委員会第六分科会 第一号 2017年2月22日
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/003619320170222001.htm
質問者:高橋千鶴子
回答者:環境大臣 山本 公一:内閣府大臣官房審議官 小野田 壮:厚生労働省大臣官房審議官 橋本 泰宏:厚生労働省大臣官房審議官 谷内 繁

内閣府から「障害者差別解消法では、同法で規定する障害者につきまして、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害を含みますが、その他の心身の機能の障害がある者であって、「障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。」と定義してございます。

化学物質過敏症の方につきましても、それを原因とする心身の機能の障害が生じており、かつ、当該障害及び社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあると認められる場合は、障害者差別解消法で定める障害者の対象になり得ると解してございます。」という答弁を小野田 壮 内閣府大臣官房審議官を通じて引き出した。(https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/003619320170222001.htm

この答弁の動画:衆議院:化学物質過敏症に対する答弁 2017年2月22日
https://www.youtube.com/watch?v=mMWAkTSGYgU

高橋千鶴子議員の質問・回答の内容、過去の香害に関する答弁の情報


・国会議員答弁は、国会図書館の国会会議録検索システム(https://kokkai.ndl.go.jp/#/) を「香害」などのキーワードで検索すると、答弁の内容の正式な記録を閲覧することができます。発言には1つづつNo.がふられており、発言には1つづつ固有のURLが割り当てられており、画面左の発言のインデックスには発言のPDFファイルへのリンクも掲載されています。

・参議院インターネット審議中継(https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php)は開会日、委員会を選択して該当のアーカイブを視聴できます。