01-4_1_02 香害/化学物質過敏症/シックハウス症候群 記事

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なぜ香害によって化学物質過敏症のような症状が起こるのかに関する記事です。香害で化学物質過敏症を発症することについて、原因が心因性であるとの主張も一部に見られますが、化学物質過敏症の原因は化学物質であるという主張には科学的な根拠があります。なぜ日用品の香料などの成分によって化学物質過敏状態になるかについては「02香害の原因」の日用品に含まれる化学物質の有毒性に関する記事、以下の資料を読むと一通りの理解ができると思います。より詳しい情報については 01-4_2 香害/化学物質過敏症/シックハウス症候群 詳細情報 の記事を参照してください。また、香害についての基礎資料をまとめた 01-1_0_01_香害啓発おすすめ資料リンク集も併せてご覧ください。

(最終更新日:2022.7.30)


月刊保団連2022年3月号https://hodanren.doc-net.or.jp/books/hodanren22/gekkan/2203.html

サイトより抜粋:

インタビュー『空気に漂う危険な物質』東京大学名誉教授 柳沢 幸雄 

化学物質過敏症は「新しいタイプの公害病」といえるだろう。水俣病をはじめ、従来の公害病が特定の地域で発生していたのに対し、この病気は個別の家の中で起き、さらに家族の中でも発症する者と発症しない者が出てくる。地域とも家族とも共通項を持てない発症者は、周囲の無理解から孤独感と疎外感で大きな苦しみを味わうことになる。なぜ、このような被害がもたらされるようになったのか、また、私たちが生活する空間の空気中にどのような化学物質が漂っているのか。化学物質過敏症について、早くから警鐘を鳴らしてきた東京大学名誉教授の柳沢幸雄氏に聞いた(聞き手・構成:編集部)。記事PDF

インタビュー『香害で社会生活を奪われた人々 』渡辺一彦小児医院院長 小児科医 渡辺 一彦

近年、合成洗剤や柔軟剤などに使われる合成化学物質によって、頭痛や目眩(めまい)、倦怠感(けんたいかん)などの症状が誘発される「香害(こうがい)」に悩む人々の存在が顕在化しつつある。学業や就業にも支障を来し、社会の無理解から孤立感に苦しむことになる。家族や友人など、親しい人との関係も悪化し、ひきこもり状態になる人もいる。仕事を失って収入が途絶えれば、生活そのものも立ち行かなくなる──。これまで、約1500人もの化学物質過敏症の患者を診てきた渡辺一彦医師に、当事者が置かれた過酷な状況について聞いた(聞き手・構成:編集部)。記事PDF

『化学物質過敏症を見落とさないために—各診療科へのお願い』医療法人高幡会大西病院 国立病院機構高知病院アレルギー科 小児科医 小倉 英郎

化学物質過敏症への一般の認知度はいまだに極めて低い。同じ環境にいる健康人は無症状であるため、周囲の理解がほとんど得られないことがその背景にある。最近は熱心な医師からの紹介を経験するようになったが、以前は、患者に対して診療拒否に近い対応がなされ、たらい回しになることもまれではなかった。本症の病状から救急受診することも少なくなく、このような場合は特に患者との信頼関係が構築されていない点がしばしば問題となった。患者の訴えを真摯(しんし)に受け止め、しっかりカルテに記録することが本症理解の第一歩である。記事PDF

『香害を引き起こすものは何か』NPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 理事 水野 玲子

●近年、国民生活センターには、家庭用品から揮発するニオイによる健康被害、すなわち「香害」に苦しむ人々から相談が寄せられるようになっている。原因として特に多いのが柔軟剤で、国内の生産量が2008~2017年の間に約1.6倍も増加していることも背景に挙げられる。こうした製品の何が不調を引き起こす原因物質になっているのか、また、香害が表面化する中で国や自治体はどのような対応を取ってきたのか。本稿では、香害が起きる背景を述べるとともに、フレグランス・フリーの取り組みが見られる欧米諸国に後れを取っている日本で、今何が求められているのかを考える。記事PDF

『化学物質による苦しみは「過敏」なのか 当事者を孤立させる社会』 稚内北星学園大学前学長 斉藤 吉広

「化学物質過敏症」の原因は「過敏」にあるのではなく「化学物質」の方にある。日用品の使用が有害物質への曝露(ばくろ)をもたらすという特性から、市民同士の対立として現れがちだが、製造企業が生み出す汚染物質による「公害」に他ならない。発症者は身体の健康と安全を脅かされるだけでなく、周囲の無理解によって孤立し、学校や職場といった生活基盤を失ってしまうこともある。この事態に、製造企業に加えて行政やメディアはどのような役割を演じているだろうか。記事PDF


・化学物質過敏症 思いのほか身近な環境問題 
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/14313.pdf
(7P 1.3MB)

厚生労働省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究所 石川哲(北里大学医学部長)
化学物質過敏症の基礎知識、診断基準などををイラストでわかりやすく解説しています。


・「化学物質過敏症は現代社会への重大な警告」
https://www.environmental-neuroscience.info/CS/ (2P 1MB)
環境脳神経科学情報センター 基礎脳科学研究者 木村-黒田純子

「…発症に至る詳細はまだ分かっておらず、。症状を起こす化学物質が多様でごく微量であることから、心因性とする人がいますが、それが間違いであることは科学的に立証されています。」

「…厚労省の2012年研究調査では、成人で化学物質に高感受性を示す人は4.4%(約450万人)、準・高感受性の人は7.7%(約800万人)と報告されており、未成年者も含めると患者数は…」

・「人工香料による健康被害」
https://www.environmental-neuroscience.info/CS/koryo.html
(2P 669kb)
環境脳神経科学情報センター 基礎脳科学研究者 木村-黒田純子

「…ヒトの匂い物質の受容体は約400種あり、個々の嗅細胞に一種類ずつ発現していますが、嗅細胞の数や発現パターンは個々に異なるため、匂いに対する反応は個人差がとても大きくなるのです。ですから、化学物質過敏症は一部から「精神症状では」と誤解されていますが、微量の化学物質曝露で様々な症状が現れることは、科学的に十分理解できることです。…」


ウィキペディア「香害」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%99%E5%AE%B3

香害の歴史/法律/香りの害/海外の情報/出典/など多岐に渡る情報が記載されています。

「…査読論文によれば、アトピー型喘息患者などで、ある種の香料が喘息反応を引き起こすことが確認されている[35]。多くの香料成分は、頭痛、アレルギー性皮膚反応[36]、吐き気[37][38][39]もまた引き起こすことがある。場合によっては、香水の過剰使用はアレルギー性皮膚炎を引き起こすことがある。 例えば、アセトンやアセトフェノンなどである[40]。

また、発癌性やアレルゲンが指摘されている物について、欧州連合(EU)消費者安全科学委員会(SCCS, formerly the SCCNFP [41])等、さまざまな国の機関による調査報告がなされ、EU Cosmetics Regulation (Entry 102, Annex III of the EU Cosmetics Regulation)[42]や国際フレグランス協会等によって制限・規制されている[43]。」


・『02-2_1_01 香料成分の毒性と規制』:https://kogailibrary.org/2021/09/06/02_2_1_01_fragrance_toxicity_regulation/
「現在では香料の90%以上は石油から合成して安価に大量生産されています。「天然」と表示されている香料も、表示方法に規制がないため、天然素材から抽出した香料が何%配合されているかはわかりません。実は、香料は一般に思われているような安全なものではありません。香料の安全性は、地球上のどの政府機関によっても安全であるかどうかの決定、監視、被害防止のための措置が行われていません。香料成分の安全性を知るためのシステムは、国際香粧品協会(IFRA)とその研究機関である香粧品研究所(RIFM)によって運営されています。つまり、香料の安全性は、 香料業界の自主規制にまかされています。」