02-2_2_01 米国疾病対策予防管理センター(CDC)の無香料ポリシー

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(2021.7.4) 2025.12.2 CDC無香料ポリシーへのリンクをアップデートしました

アメリカ疾病管理予防センター(CDC*)は、1万五千人の職員の健康を守るため2009年に室内空気環境についての方針、無香料ポリシーを発令しました。

CDCは2009年に職場の空気環境が健康被害をもたらす危険を取り除くために「Indoor Environmental Quality Policy (室内空気環境ポリシー)」を発令しました。職員すべてに対して、CDCが所有、賃貸しているすべての建物内で、以下のような香料入り製品を使用することを常時禁止しています。また職員に対して、職場に入るまでに無香料の状態になるため、香料入りのパーソナルケア用品、合成洗剤、柔軟剤を使用しないよう、推奨しています。

・お香、キャンドル(アロマキャンドル)、リードディフューザー(スティック状の芳香剤)
・香料を放出する装置すべて
・香料を放出する装置のような、壁面取り付け式の自動、または手動の消臭剤、抗菌剤を出す装置
・ポプリ
・スプレー式、または電気仕掛けの消臭剤、芳香剤(エアフレッシュナー)
・トイレの芳香剤
・その他の香料入り消臭剤
・コロン、香水、エッセンシャルオイル、香料入りの基礎化粧品、ヘアケア製品などを職場の近く、トイレなどを含めCDCの建物の中のどこにおいても使用してはならない。
・CDCは職員に、職場に出勤する時点までにできるかぎり無香料(フレグランスフリー)の状態でいることを推奨する。香料はプロフェッショナルな職場にふさわしくない。また香料入り製品は化学物質への敏感さ、アレルギー、喘息、慢性的な頭痛を持つ職員に健康被害をもたらすことがある。
・職員は職場で着用する衣類を洗濯する際、香料入り洗剤や柔軟剤を使用しないこと。多くの無香料のパーソナルケア製品や洗濯用製品がより安全な手段として簡単に手に入る。

*CDC=Centers for Disease Control and Prevention アメリカ疾病管理予防センターは、米国内外における人々の健康と安全の保護を主導する立場にある連邦機関

この無香料ポリシーの文書は内部文書で、CDCの外部からアクセスできる公式サイトには最初から掲載されていなかったようです。下記は無香料ポリシーが作られた頃に、CDCの外部向けのページで発表した「室内空気環境を多角的に評価するアプローチ」という記事です。香料についての言及はなく、以前はあった香料に言及したパブコメも掲載されていませんが、参考になります。
“Multifaceted Approach to Assess Indoor Environmental Quality” April 9, 2009 by Ray Wells, PhD:https://blogs.cdc.gov/niosh-science-blog/2009/04/09/indoor/

化学物質過敏症に関する市民団体がいくつもこのCDCの無香料ポリシーに言及しており、文書をダウンロードできるページもあります。米国のChemical Sensitivity Foundationのウエブサイトには、この文書の他にも有力な情報へのリンクがあります。

米国 Chemical Sensitivity Foundation: https://www.chemicalsensitivity.wallacestevensbiography.com/fragrance-free-workplaces.html
米国 Invisible Disabilities Association: https://invisibledisabilities.org/environmental-illness/cdc-fragrance-free-policy/
米国 National Council on Independent Living: https://www.ncil.org/wp-content/uploads/2013/08/ILConversation-ChemicalSensitivities.pdf
色々なジャンルの文書をダウンロードできるサイト[SCRIBD]で”CDC 2009″を検索すると文書へのリンクが表示されます: https://www.scribd.com/
このサイトで” fragrance-free”で検索すると、色々な情報が出てきますのでおすすめです。


職場での安全と健康について

CDCは、2013年に労働者の健康と環境全体のため、化学物質とそれに関係する臭気が室内空気環境に問題を起こすことについて注意喚起しました。以下はCDCのウエブサイト に掲載されている記事の概略です。

・家庭や職場の室内空気環境を汚染し、悪臭を発生する原因として、VOCs(揮発性有機化合物*)が挙げられています。VOCsは下記のような日用品から揮発して空気を汚染します。

・コーキング/シーラント/コート剤、接着剤、塗料、ニス、壁紙、洗剤、燃料、カーペット、ビニールフロア、布製品や家具、消臭剤その他香料入り製品、職員の使うシャンプーや香水などのパーソナルケア用品

・これらの化学物質、またその他の汚染源がコントロールされていない場合、建物の換気装置が適切にデザインされ、メンテナンスされていても建物内の空気環境に問題が起こることがあります。

『Workplace Safety & Health Topics > Indoor Environmental Quality (職場の安全と健康に関するトピック>室内空気環境)』 (2013)

https://www.cdc.gov/niosh/topics/indoorenv/chemicalsodors.html

訳注:*化学物質に関して「有機」「オーガニック」は「有毒でない」という意味ではありません。「有機化合物=organic compound」とは炭素を含む化合物の大部分を指します。日用品のラベルに「有機酸(organic acid)」などと表示されていると無害な酢酸、リンゴ酸などを思い浮かべますが、合成樹脂や医薬品工業の原料などに使われ、腐食作用があるフェノール類なども有機化合物の一種、広い意味で有機酸です。(ウィキペディア フェノール類::  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AB%E9%A1%9E 
コトバンク 有機酸:https://kotobank.jp/word/%E6%9C%89%E6%A9%9F%E9%85%B8-144647


・職場の空気のクオリティのために職員がするべきこと

CDCは、2015年に職場の室内空気環境を良好に保つために、職員がするべきこと、建物のオーナーや管理者はどのようにするべきかを発表しました。以下はCDCのウエブサイトに掲載されている記事の概略です。ウエブサイト には行うべき対応の詳細なリストがあります。

・職員が健康上の問題が職場の化学物質によるものだという疑いを持つ時には、建物の安全、健康、メンテナンスの責任者または上司に心配事を直ちに報告し、必要なら直ちに医療機関を受診すること。眼、鼻、のどの炎症の原因になるので、消臭剤や芳香剤類の使用を避けること。

・管理者、建物のオーナーは健康上の問題が報告された場合には常に応答しなければならない。室内空気環境についての苦情があった場合の明確な問題への対応と記録について、十分かつ迅速な対応をするために、手続きの方法を規定しなければならない。

『INDOOR ENVIRONMENTAL QUALITY /Action Steps /What workers can do (室内空気環境のために職員ができること)』 (2015.8.28)

https://www.cdc.gov/niosh/topics/indoorenv/chemactionsteps.html


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