(2022.6.12)
香害はやっと認知が始まったばかりで、学校や職場、近隣の人、公共施設やお店などに香害について説明することはなかなか難しいものです。自治体や政府、日本医師会や約10万人の医師を擁する全国保険医団体連合会の香害啓発ポスターやチラシを渡しながら話をするとわかってもらいやすいです。「01-1_0_01_香害啓発おすすめ資料リンク集」にはそういったポスターやちらし、香害を理解してもらうのに役立つ資料を集めました。また、ページ右の「カテゴリーメニュー」から「03-2_1 手紙/チラシ/資料/SNSで香害啓発」を選択すると、自治体や政府のチラシなど他の資料の記事一覧が表示されます。
日本消費者連盟は、2017年夏に香害に関する電話相談「香害110番」を実施し、設定された2日間の間に、メールやファックスを含めると実に213件もの相談が寄せられました。これは国民生活センターへの一年の相談件数を遥かに上回り、香害の深刻さが明らかになりました。これを受けて「香害をなくす連絡会(事務局:日本消費者連盟)」が、香害解決に向けて、消費者庁をはじめとする省庁や業界団体に改善を求める活動を始めました。そして、2021年7月末に消費者庁によって、5省庁連名(消費者庁/文部科学省/厚生労働省/経済産業省/環境省)のポスター『その香り困っている人がいるかも?』が作成されました。ポスターは消費者庁のウエブサイトからダウンロードできます。「その香り困っている人がいるかも? ( PDF 1,097KB) 」:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/other/
このポスターは文科省によって都道府県と政令指定都市の教育委員会などに配付、連絡は各学校まで至っているようです。また、厚労省が各都道府県等の衛生主管部局に、所管域内の医療機関に対してポスターに関する情報提供を依頼、日本薬剤師会、日本チェーンドラッグストア協会、日本保険薬局協会に対しても事務連絡を発しています。詳細は 01-2_1_03 五省庁連名香害啓発ポスター を参照してください。
昨年7月にこのポスターが配布されてから全国的に香害の啓発が進み、香害対策は大きく前進しました。しかし「使用量の目安などを参考に周囲の方にもご配慮いただきながらお使いください」というポスターの文言では、香害を個人のにおいの感じ方の問題として捉え、香害が化学物質による公害であるという真実が伝わりません。自治体の啓発ちらしもほとんどは政府のこのアプローチと同じです。そこで、香害は公害である、という事実を説明する補足資料を一緒に渡す事が意味を持ってきます。
香害が公害であることを伝えるためのチラシ


下記のリンクからダウンロードできる文書は、補足資料として使用できるチラシです。現実に起こっていること、香害についての研究や調査について書かれています。香害被害者の有志が作成したものを、許可を得てここに掲載しています。香害の啓発の目的に限り、ダウンロードして配布していただけます。ただし、商用利用の場合は、必ず事前に著作者の文書による承認を得てください。また、いかなる場合にも、当該文書及び画像の改変は著作者によって明確に許可されている場合以外できません。また、ご利用に際しては事前にサイトポリシー・免責事項の確認をお願いします。
「なぜ『良い香り』で具合が悪くなるのでしょう — #香害は公害」
実際に他人の使う柔軟剤によって化学物質過敏症を発症し、自分の身、そして社会にいま何か異常な事が起こっていると感じて調査を始めた化学物質過敏症当事者の体験と、調査のレポートです。香害図書館に掲載されている情報へのリンク、QRコードもあり、柔軟剤・合成洗剤などの日用品や香料が、政府に全く安全性を確認されないまま、企業が好き勝手に製造販売して深刻な香害を起こしている実態が3ページにまとめられています。:SmellingGoodComesWithCost_A4.pdf (283KB)
「日用品の化学物質で公害が起きています/マイクロカプセル汚染/洗濯洗剤アンケート」
ありふれた日用品で実際に公害が起こっていること、柔軟剤、合成洗剤、除菌消臭スプレーなどには香料や抗菌・消臭効果を長持ちさせるために、プラスチックなどで出来た香料や抗菌剤を入れたマイクロカプセルが使われていて、これが健康被害を起こしていることがマイクロカプセルの写真入りで1ページにまとめられています。
洗濯洗剤アンケートには「web版 洗濯洗剤に関するアンケート」もあります。アンケートに楽しみながら答えることによって、石けんは、合成洗剤より洗浄力が強いこと、石けんで衣類を洗濯すると柔軟剤を使わなくても衣類が柔らかく仕上がり、汚れが良く落ち、成分も残らないため、加齢臭、部屋干し臭、生乾き臭などが薄らぐことを知ってもらう事ができます。両面印刷すると便利です。:kogai_is_chemicalpollution.PDF (559KB)
香害を啓発するにあたってとても重要なことは、香害は好みの問題や個人の体質、病気ではなく、公害であるという共通の認識を作ることです。柔軟剤のヘビーユーザー、特に家族や隣人、コミュニティ内の人など身近な人たちに香害啓発をする時は、特にこの 「香害は公害 」という事実を共有することが大事です。なぜ大事なのか、その理由について香害啓発をする前に、03-2_1_01_香害啓発をしよう を是非ごらんください。