(2022.1.19)
自分が買った柔軟剤で、または近隣で使っている合成洗剤で、あるいは職場や学校で他人が使う製品によって起こっている香害は、消費者が市販されている製品によって受ける被害です。日本の行政には、消費者が市販されている製品やサービスで受けた被害を消費生活センターに報告したり、製品の問題について消費者庁の中にある「消費者安全調査委員会」に調査を申し出る制度があります。188に電話すると、消費生活センターに被害を報告することができます。メールや面談でも報告が可能で、匿名、製品名がわからなくても多くの場合は問題ないです。調査の制度はあまり知られておらず利用が少ないですが、香害への調査依頼が多く寄せられれば消費者庁による調査が行われるかもしれません。
行政に対して消費者からあげられた報告は、個人を特定できる情報を除いた上で国民生活センターに集約されて全国消費生活情報ネットワーク・システム「PIO-NET」に登録され、各省庁や国会議員が閲覧します。苦情の件数や動向については、誰でも国民生活センターの『消費生活相談データベース』で検索できます。:https://datafile.kokusen.go.jp/ 大分類:住居品 中分類:洗浄剤等 小分類:洗濯用洗浄剤 で検索すると、2021年度は2022.1.16に検索した年度途中の数字は468件、2016〜2020年の間には合計2,119件の相談があったことがわかります。直近20件の相談内容の概略も表示されます。詳細については下記の『消費生活センターへの申出』をご参照ください。
市民から提供された情報が法や制度の改正につながった例はいくつもあります。危害、危険に関すると判断された情報は『事故情報データバンクシステム』に転載され、誰でも閲覧できます。「柔軟剤」で検索すると、2022.1.15現在で1,162件の事故情報が表示されました。:https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/
事故情報データバンクにどのようなデータが登録されているかの情報:https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/faq
国民生活センターのウエブサイトでは行政機関が行った調査結果や情報提供の文書なども検索できます:https://www.kokusen.go.jp/category/jirei.html ページ右上の検索ウインドウに「柔軟剤」と入力すると、静岡県環境衛生科学研究所や北海度消費生活センターのテスト結果、国民生活センターの「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供(2020年)」:https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20200409_2.pdf などがダウンロードできます。
データベースを検索すると、実際の香害被害よりかなり件数が少なく思われるかもしれません。香害被害の件数として国が認定するのは、声が上がった件数だけだからです。声を上げなければ、被害はないことになってしまいます。ぜひあなたの声を行政に届けてください。また、国民生活センターでは「消費者トラブルメール箱」で消費者被害の情報を集めています。ぜひ積極的に被害の情報を送りましょう。これも数が集まれば行政を動かす力になります。
以下は、香害被害当事者が発信する「化学物質過敏症関連ブログ」より、消費生活センターへの被害報告、消費者安全調査委員会への被害調査依頼について情報提供していただいたものです。どういう手順になるのか、どのように何を伝えれば良いのかなど、わかりやすく説明されています。
●消費生活センター(国民生活センター)へ声を届ける方法について
消費生活センターをご存知ですか?電話番号「188」でつながる行政の相談窓口です。消費者が企業が販売している商品やサービスについてトラブルが発生した時に相談できます。
消費者の声は国民生活センターに集約され、社会に活かされています。
相談窓口の具体的な利用方法について下記に記載しています。
『消費生活センターへの申出』(2022.1.17):https://ayako2022.com/claim188/
●消費者庁へ調査依頼をする方法について
消費者庁の中に「消費者安全調査委員会」という組織があります。消費生活センターとは別に上記の委員会へ調査依頼をすることができます。
但し、全て調査をしてくれるとは限りません。一方、同員会は知名度が低いせいか、申請件数が少ない傾向にあります。その為か、過去の調査結果を見ても丁寧に調査をして回答をしてくれていることが分かります。
同委員会についての概要と申出先については、下記からご覧ください。
『消費者庁への申出』(2022.1.8):https://ayako2022.com/claim/
「消費者トラブルメール箱」は、2022年7月31日で廃止になります。廃止前に、香害被害を届けましょう。また、なぜ廃止になるのか、理由も問い合わせましょう。
独立行政法人 国民生活センターのウエブサイト「消費者トラブルメール箱」では、消費者被害の実態をリアルタイムで把握し、消費者被害の防止に役立てるため、消費者からの情報を集めています。「こんなトラブルにあった!」「こんな納得いかない思いをした!」など実際に体験したトラブルをお知らせください。ひとつひとつの情報にはお答えしていませんが、寄せられた情報を基に調査・分析などを行っています。」とのことですので、ぜひ柔軟剤、合成洗剤その他日用品で困ったことを伝えてください。オンラインで書き込みができます。
『消費者トラブルメール箱』:https://www.kokusen.go.jp/t_box/t_box.html