03-2_2_01 政府機関に被害報告/調査申立をしよう

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(2024.8.16 アップロード 2025.3.15 更新)

自分が買った柔軟剤で、または近隣で使っている合成洗剤で、あるいは職場や学校で他人が使う製品によって起こっている香害は、消費者が市販されている製品によって受ける被害です。日本の行政には、消費者が市販されている製品やサービスで受けた被害を消費生活センターに報告したり、製品の問題について消費者庁の中にある「消費者安全調査委員会」に調査を申し出る制度があります。188に電話すると、消費生活センターに被害を報告することができます。メールや面談でも報告が可能で、匿名、製品名がわからなくても多くの場合は問題ないです。調査の制度はあまり知られておらず利用が少ないですが、香害への調査依頼が多く寄せられれば消費者庁による調査が行われるかもしれません。

政府の「香害被害の相談件数」は年度毎の集計なので、毎年被害報告をしないと、統計上件数は減少します。 各年度ごとに消費生活相談窓口188に「香害被害の実態」を届けることで、PIO-NETの年度別の相談件数にも反映されます。

行政に対して消費者からあげられた報告は、個人を特定できる情報を除いた上で国民生活センターに集約されて全国消費生活情報ネットワーク・システム「PIO-NET」に登録され、各省庁や国会議員が閲覧します。苦情の件数や動向については、誰でも国民生活センターの『消費生活相談データベース』で検索できます。:https://datafile.kokusen.go.jp/ 大分類:住居品 中分類:洗浄剤等 小分類:洗濯用洗浄剤 で検索すると、2021年度は2022.1.16に検索した年度途中の数字は468件、2016〜2020年の間には合計2,119件の相談があったことがわかります。直近20件の相談内容の概略も表示されます。詳細については下記の『消費生活センターへの申出』をご参照ください。

市民から提供された情報が法や制度の改正につながった例はいくつもあります。危害、危険に関すると判断された情報は『事故情報データバンクシステム』に転載され、誰でも閲覧できます。「柔軟剤」で検索すると、「柔軟剤」で検索すると、2025.3.14現在の事故情報は1,923件となっており、2022.1.15の1,162件の1.66倍になっています。:https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/

事故情報データバンクにどのようなデータが登録されているかの情報:https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/faq
国民生活センターのウエブサイトでは行政機関が行った調査結果や情報提供の文書なども検索できます:https://www.kokusen.go.jp/category/jirei.html ページ右上の検索ウインドウに「柔軟剤」と入力すると、静岡県環境衛生科学研究所や北海度消費生活センターのテスト結果、国民生活センターの「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供(2020年)」https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20200409_2.pdf などがダウンロードできます。

データベースを検索すると、実際の香害被害よりかなり件数が少なく思われるかもしれません。香害被害の件数として国が認定するのは、声が上がった件数だけだからです。声を上げなければ、被害はないことになってしまいます。ぜひあなたの声を行政に届けてください。


●消費生活センター(国民生活センター)へ声を届ける方法について

消費生活センターは、電話番号「188」でつながる行政の相談窓口です。企業が販売している商品やサービスについてトラブルが発生した時に消費者が相談できます。ここでの相談は、企業と消費者間の取引についての相談先で、消費者間のトラブルは相談の対象外です。柔軟剤の苦情については、メーカーに対するものだと、企業と消費者間のトラブルとなり〇(=受付OK)柔軟剤のせいで、近隣の住民とトラブルになっているという事であれば△になります。近隣トラブルだけだと消費者間だけの問題なので×です。でも、苦情を伝える時に、そもそも製品自体の問題だという趣旨が伝わり、企業の製品に対する苦情となれば〇になるという感じです。

消費生活センター(国民生活センター)への連絡方法には①電話、②面談、③メールの3つの方法があります。

電話:「188」に電話するか、または「居住地の消費生活センターの電話番号に直接電話」する方法があります。

「188」に電話をすると音声案内で「こちらは消費者ホットラインです」というアナウンスが流れます。 その後、音声案内に従い郵便番号を入力すると、ナビダイヤルで近くの消費生活センターに繋がります。 その時、市町村の消費生活センターが込み合っていたら、都道府県の消費生活センターにつながったり、消費生活センターが休みの時は国民生活センターにつながったりもします。
ナビダイヤルだと通話料がかかるので、電話のかけ放題を契約している方などは、全国の消費生活センターの窓口(下記HP)より検索し、「居住地の消費生活センターの電話番号に直接電話」してみてください。 全国の消費生活センター等 国民生活センター www.kokusen.go.jp

面談

各消費生活センターにより受付時間が異なっているので、訪問される場合は、事前に居住地の消費生活センターに電話をして到着時間などを伝えておいたほうがいいと思います。

インターネット(メール)

メール対応については各消費生活センターの対応が異なります。下記から「居住地の消費生活センター」を検索し、メール対応しているか確認してみてください。https://www.kokusen.go.jp/map/index.html
市町村の消費生活センターで受け付けをしていなくても、都道府県の消費生活センターで受け付けしている場合があります。その場合は都道府県の消費生活センターのメール相談を活用してください。

相談の際に伝えるポイント

まず最初に聞かれることが多いのは個人情報です。国民生活センターのHPには、「円滑な相談処理を実施するために、氏名、住所、電話番号、性別、年齢、職業をお聞きします。」と記載されています。継続的な相談もあったり、統計資料を作ったりすることもあるので、聞き取りはされますが匿名でも相談は受け付けてくれることが多いです。公務員は守秘義務がありますので、個人情報は守られます。(個人情報の取り扱いについては、国民生活センターのHPをご覧ください。)

苦情内容については、どのメーカーの何という製品なのか、その商品によって、いつ、どのような被害を受けたのか、身体的被害があれば、病院にかかったのか、病院では何を言われたのか、通院日数や現在の状況など、物的被害があった場合も、何がどのように損傷したのかなど、分かる範囲でできるだけ具体的に伝えておいたほうが記録に残しやすいですが、他人の使う商品で被害にあった場合など商品名がわからなくても苦情は受け付けられます。

電話を受けた相談員によって知識や経験の差もあり、思ったような対応をしてくれない事もあるかもしれませんが、相談員は正義感の強い方々が多い印象です。 まずは、188に電話をして1件声をあげて被害を可視化することが重要です。


●消費者庁へ調査依頼をする方法について

消費者庁の中に「消費者安全調査委員会」という組織があります。消費生活センターとは別に上記の委員会へ調査依頼をすることができます。

消費者安全調査委員会への申出https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/application/

 古くからある「国民生活センター」「消費生活センター」に対して、「消費者庁」は2009年にできた新しい組織です。下記の図のとおり役割を分けつつも連携しています。

『第2章 消費者庁及び消費者委員会の10年』より抜粋:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2019/white_paper_111.html#fn19  下図:消費者行政の基本的枠組み(消費者庁のウエブサイトより転載)

「消費者安全調査委員会」とは、消費者庁の中にある独立性の高い組織です。被害の発生又は拡大の防止を図るために、生命・身体に係る事故の原因を究明する調査を行っています。

令和元年版「消費者白書」によると、 調査対象となり得る事故等は「公共性」「被害の程度」「単一事故の規模」「多発性」「消費者による回避可能性」及び「要配慮者への集中」の要素を総合的に勘案して選定し、事故等原因調査等を実施しているということです。https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/assets/2019_whitepaper_0003_210608.pdf

調査例:家庭用ヒートポンプ給湯機の運転音・振動による被害についての調査

近隣住民が設置した「家庭用ヒートポンプ給湯機から生じる運転音・振動により不眠等の健康症状が発生した」との申出事案についての調査結果:https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_002/

この報告書の事例は、柔軟剤や消臭剤などの被害に似ています。「因果関係があるとことは否定できない」としつつ「避けるしかない」。神経質だと言われるが、実は「個人の気質との関連は認められず」「症状の程度は、日常生活に支障を来すほどのもの」であるということ。自分が購入した商品であれば、自分で処分すれば済むことだが、他人が購入した商品なのでどうにもならない状況が 香害に似ています。

 全て調査をしてくれるとは限りませんが、同員会は知名度が低いせいか、申請件数が少ない傾向にあります。その為か、過去の調査結果を見ても丁寧に調査をして回答をしてくれていることが分かります。申出件数も消費者庁のHPで確認(https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/application/assets/csic_cms201_240620_03.pdf)できますが、非常に少ないです。月0~8件程度です。年間でも50件程度です。このような制度を知らない人がほとんどだと思います。
 
 柔軟剤についての申し立てについて、「発生要因や詳細な症状には必ずしも共通点が見出し難く、個別性が高いと考えられる」ということで調査を行わないという返答も以前にありましたが、「今後、類似被害の発生動向を注視する」という事も記載されていたとのことです。申し立て件数が増えれば調査が行われることが考えられます。せっかく用意されている行政の制度を充分活用して、声を上げましょう。こちらは多少労力のかかることになりますが、行政に声を届けることの積み重ねは香害問題を解決に導くでしょう。

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