(2024.8.16)
香害などによって化学物質過敏症を発症し、症状が進むと日常生活が困難になったり、就労が難しくなったりするほど重症化する場合があります。2020年に「香害をなくす連絡会」が行なったアンケートで香害被害があると回答した人のうち、2割が退職、休学などの深刻な症状を訴えていました。就労ができなくなるような状態になった場合には、国の保険制度を利用することができます。社会保険は法改正が頻繁にある事から、最新の情報についてはご自身でご確認ください。
社会保険制度は色々ありますが、ここでは、化学物質過敏症患者に関連しそうな制度について紹介します。
まずは、「傷病手当金」と「障害年金」です。ちなみに申請(請求)しないと受給できません。「知らなかったから申請していなかった」ということもよく見聞きします。保険料の支払い状況等の要件(詳細は別途記載)がありますが、一度確認されたら良いかもしれません。
「傷病手当金」は、会社員等が業務外の病気やけがで働けなくなった時に受け取ることができるもので、給料の3分の2程度が最長1年半支給されます。退職後も要件を満たせば「資格喪失後の継続給付」として「傷病手当金」が支給される可能性があります。傷病手当金を受け取った後も病気が治りそうにない場合は「障害年金」の請求を検討しましょう。障害年金は障害の程度により1~3級とありますが、初診日が国民年金の方は3級は対象外になります。
なお、「障害年金」は会社員に限らず対象範囲が広く、若くても要件に該当すれば受け取れる公的年金です。
『傷病手当金について』 「傷病手当金」は障害年金とは異なる制度で、傷病手当金も、病気やけがをした時に利用できる制度の一つです。ただ、障害年金よりも対象者は狭く、傷病手当金は会社員等が対象となります。
全国健康保険協会『傷病手当金』2024.8.14アクセス:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31710/1950-271/
「障害年金」は、「国民年金法」と「厚生年金保険法」で定まっている公的年金です。請求してはじめて支給されるもので、制度を知らずに請求していないケースが多いという現状があります。病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
日本年金機構『障害年金』2024.8.14アクセス:https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html
2024年8月現在、扶養に入れるかどうかを決める収入の壁は通常130万円未満ですが、60歳以上または障害者は180万円未満です。障害年金受給前に扶養に入っていた人が年間収入130万円以上になっても扶養から外れる必要がない場合がありますので、日本年金機構のウエブサイトで確認してください。
日本年金機構『従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き』:https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20141202.html
