高橋千鶴子議員の質問・回答の内容、過去の香害に関する答弁の情報

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第198回国会 衆議院 厚生労働委員会 第17号 令和元年5月15日
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=119804260X01720190515&current=9

香害について、大臣は承知しているのか、どんな認識をお持ちか 
発言No.:225ー227
質問者:高橋千鶴子
回答者:厚生労働大臣 根本 匠

225:(前略)今、香害という言葉が大きな問題となっています。
 日本消費者連盟が二〇一七年に実施した香害一一〇番に、二百十三件もの苦情が寄せられました。悲鳴が寄せられました。あるいは、シャボン玉石けんが昨年五月に二十代から五十代の女性を対象にネットで行った調査では、人工的な香りで頭痛や目まい、吐き気などの体調不良を起こしたことがある人は六四%に上りました。
 また、ことし三月には、京丹後市丹後中学校の卒業式で、化学物質過敏症のためほとんど学校に通うことができなかった馬場さんという生徒さん、ずっとテレビ電話で授業を受けていた方が、ガスマスクをつけて最後のホームルームに出て、卒業したんです。体育館にも入れなかった。体育館に入るとたくさんのにおいが集中しているので、残念ながら入れないけれども、名前を呼ばれて一緒に歌を歌うというのを体育館の入り口で経験することができたと喜んでいる。
 それでも、まだこの子たちは、学校が理解をしてくれてそこまでたどり着いたんだけれども、実際には通えないという子供たちがたくさんいるんだということ。この香害について、大臣は承知しているのか、どんな認識をお持ちか、伺いたいと思います。(https://kokkai.ndl.go.jp/txt/119804260X01720190515/225)

226:根本国務大臣
お尋ねの香害については、家庭で使用する柔軟仕上げ剤や消臭剤等に含まれる香料によって頭痛、吐き気などの種々の症状が生じているという主張があることは知っております。
 一方で、いわゆる香害については、現時点では原因や病態、発症機序等が不明であり、疾患概念が確立しておらず、傷病名として認められていないと認識をしております。具体的には、そもそも原因として香りが関与しているか、あるいはどのような症状を来すのか、どのような体内の変化が症状を引き起こすのかなどが明らかでなくて、科学的知見に基づく実態解明が進んでいないというのが現状だと理解をしております。(https://kokkai.ndl.go.jp/txt/119804260X01720190515/226


193回 予算委員会第六分科会 第一号 2017年2月22日
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/003619320170222001.htm
質問者:高橋千鶴子
回答者:環境大臣 山本 公一:内閣府大臣官房審議官 小野田 壮:厚生労働省大臣官房審議官 橋本 泰宏:厚生労働省大臣官房審議官 谷内 繁

以下は同委員会での答弁からの抜粋です。

環境省への質問:
回答者:環境大臣 山本 公一

きょうは、化学物質過敏症について、山本環境大臣初め各省庁に質問させていただきますので、よろしくお願いをいたします。

 化学物質過敏症、CS、あるいは多種類化学物質過敏症、MCSは、通常では問題にならないような低濃度の化学物質に過敏に反応して、頭痛、目まい、気分不良、倦怠感、脱力、体の痛み、腹痛、下痢、うつ症状、集中力低下、記銘力障害など多臓器の症状を繰り返し起こし、重症化すると、日常生活はおろか仕事や学業など社会的活動が困難になるとされています。

 原因物質は人によってさまざまで、また、複数持っている方も多くいらっしゃいます。重症な場合は自宅から一歩も出られない、何度も転居を余儀なくされるなど課題も多く、各省庁にまたがると思っています。

 そこで、まず大臣、化学物質過敏症についての認識と、現状、環境省が取り組んでいることをお伺いします。

山本(公)国務大臣:いわゆる化学物質過敏症については、その病態及び発症メカニズムについて未解明な部分が多く、医学的に確立された定義や診断基準が存在していないものと認識いたしております。

 このため、環境省では、環境を経由する化学物質過敏症を中心に、国内外の調査研究等に関する知見の収集を進めてきたところでございます。

厚労省への質問
回答者:厚生労働省大臣官房審議官 橋本 泰宏:厚生労働省大臣官房審議官 谷内 繁

今のメカニズムが不明でまだというところ、何年もこの状態にとどまっているんです。それで、研究を重ねてきてくださった。私は、きょうは、それをもっと前に進めたい、そういう思いで質問させていただきます。

 まず、CSは、既にレセプトに記載できる病名リストには登録されていると承知をしています。厚労省に伺いますが、医療保険ではどのような扱いになっているでしょうか。また、専門外来などはどの程度あると承知をしているか、お願いします

谷内政府参考人:まず、私の方から保険適用の質問についてお答えいたします。

 化学物質過敏症の症状といたしまして、痛み、かゆみなどの症状が患者にあり、それに対して行われました治療について医学的に妥当性が認められる場合、医療保険が適用されることになります。

橋本政府参考人:先ほど申し上げましたように、いわゆる化学物質過敏症は、多様な症状を示しますけれども、その病態については不明な点が多うございます。

 私ども厚労省といたしましても、化学物質過敏症の治療に取り組んでいる医療機関があるということは承知しておりますし、インターネットで見ましたところでは、先ほど先生が名前を挙げられたような医療機関などもそういった治療に取り組んでいるということが実態としてうかがえるところでございます。

 ただ、そもそも、化学物質過敏症、病態が不明な点が多うございまして、確立した診断基準も治療法も存在しないということでございますので、いわゆる各専門外来の実態の把握をするのは、繰り返しになりますが、現時点では困難というふうに言わざるを得ないと思います。

内閣府への質問
回答者:内閣府大臣官房審議官 小野田 壮

高橋(千)分科員:そこで、内閣府に伺います。

 障害者差別解消法が昨年四月に施行されました。基本方針には、対象となる障害者は、障害者基本法第二条第一号に規定する障害者、すなわち、身体、知的、精神、発達障害を含む、その他の心身の機能の障害がある者とし、それだけではなくて、社会におけるさまざまな障壁と相対することによって生ずるもの、いわゆる社会モデルの考え方を踏まえていると明記をされています。

 この考え方に立てば、当然、化学物質過敏症の方も対象となると考えてよいでしょうか

小野田政府参考人: お答えいたします。

 障害者差別解消法では、同法で規定する障害者につきまして、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害を含みますが、その他の心身の機能の障害がある者であって、「障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。」と定義してございます。

 化学物質過敏症の方につきましても、それを原因とする心身の機能の障害が生じており、かつ、当該障害及び社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあると認められる場合は、障害者差別解消法で定める障害者の対象になり得ると解してございます。