01-3_3_03 「こどもの香害被害への対策を」記者会見と院内集会

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2025.9.6 アップロード 11.30 文科省との面談、回答を追加

「香害をなくす議員の会」と「香害をなくす連絡会」は2025年8月20日に「子どもの香害被害への対策を 記者会見&院内集会」を行いました。日本臨床環境医学会と室内環境学会の環境過敏症分科会が実施した『子どもの「香害」および環境過敏症状に関する実態調査』ー洗濯用の洗剤や柔軟剤などの化学物質によって小中学生の1割以上が体調不良を起こしているーというショッキングな調査結果を発表し、学校での対策を求める要望書を文部科学省に提出しました。

共同通信の配信記事を多くの新聞が掲載したほか、全国紙、地方紙が独自記事を掲載し、この記者会見について報道しました。香害という大規模な公害で学習環境がこれほど大規模に損なわれ、就学の機会を奪うという人権侵害が起こっていることが学術団体による調査で明らかになりました。香害の対策を取るよう、地元の教育委員会、学校に求める有効な根拠となる調査結果です。

報道は多くの反響を呼び、Yahooの記事には1日で1357件ものコメントがつき、香害被害の広がり、香害への関心の広がりを可視化しました。『小中10%、「香害」で体調不良 消費者団体などが対策要望』8/20(水): https://news.yahoo.co.jp/articles/d753c9d2f99efb09b810474415b9caaceb3bd1d9

香害は健康被害の自覚があるなしに関わらず、子供たち全員の発達途中の脳や体に悪影響を与える空気汚染です。香害対策は「被害者」だけではなく、全員にとって有益であり、健康と環境を守るために必要な公害対策です。香害がどんなものであるかは当館の記事もぜひ参照してください。
香害の概要『香害図書館へようこそ』:https://kogailibrary.org/
香害図書館のおすすめ記事リンク集
2019年12月下旬から約3カ月間で9332件の回答があった香害アンケート:
01-1_4_01 「香害をなくす連絡会」香害アンケート(2020年)
03-2_3_04_香害をなくす連絡会の活動


記者会見、院内集会の概要

記者会見、院内集会の様子はボランティアチームUPLANが撮影/公開しています。『20250820 UPLAN 【記者会見&院内集会】子どもの香害被害への対策を』:https://youtu.be/z0Bi9jfZhVU?feature=shared
全国約1万人の調査結果から8・3%の子ども(小中学生では10・1%)が香害被害を受けていることが明らかになりました。もはや香害被害は一部の人の問題ではありません。感受性の強い子どもたちの空気環境の改善は全児童・生徒にとって喫緊の課題となっています。以下、会見の次第となります。」
① 被害実態・子どもからの手紙代読
② 香害について・平賀典子(香害をなくす連絡会、新潟大学非常勤講師)
③ 学術調査結果・寺田良一(明治大学名誉教授、環境社会学)
④ 文科省への要望書・寺本早苗(香害をなくす議員の会代表、宝塚市議会議員)
⑤ 質疑応答」

以下は記者会見、院内集会の概要です:

① 被害実態・子どもからの手紙代読

以下は記者会見で代読された小学校4年生の時に同級生の洗濯洗剤や柔軟剤の成分で化学物質過敏症を発症した中学3年生の香害被害者の手紙です。ご本人、保護者の許可を得てここに掲載します。手紙の改変、無許可転載はご遠慮ください。

香害被害は「教室のニオイが臭くて辛い、授業に集中できない」だけではなく、この手紙に書かれているように、化学物質過敏症を発症して生活が大幅に制限される深刻な人権侵害を伴うこともあります。香害はこの子のように幼少時からずっと理不尽な健康被害と人権侵害に苦しむこどもたちを全国で増やし続けている深刻な公害問題です。

② 香害について「子どもの香害はシックスクール問題」平賀典子(香害をなくす連絡会/新潟大学非常勤講師)
香害とはー香り、消臭・抗菌作用が長く続く日用品による化学物質の害
  • 柔軟剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤などの強い香りを伴う製品の化学物質による健康被害のこと。体臭は含まない
  • 香害はニオイの好き嫌いではなく、健康被害や病気に関わる問題
  • 頭痛やめまい、目や喉の痛み、咳、吐き気など様々な症状
  • 香害により、化学物質過敏症という病気を発症して重症化するおそれがある
  • 抗菌消臭をうたう合成洗剤の被害が増えてきている
香害の原因のトップは柔軟剤の86%、2位は香り付き合成洗剤の73.7%

2019年〜2020年に香害をなくす連絡会が行ったアンケート結果では、香害の原因のトップは柔軟剤の86%、2位は香り付き合成洗剤の73.7%でした。『「香害」アンケート集約結果発表~9000人の声を届けます~』:https://nishoren.net/wp/wp-content/uploads/2020/06/a1e79d761ab1852698798cc92b172db8-1.pdf

柔軟剤の問題点:

  • 大量のテレビCMによって香りの強い洗濯洗剤や柔軟剤ブームが起こり、子供から老人まで男女問わず、本来必要のない柔軟剤を使用している
  • 時々つけすぎの人がいる香水とは違って、あらゆる人の全身の衣類から香料臭が発生しており、教室の空気がすごいことになっているが、使用者は慣れてしまってわからなくなっている
  • 刺激の強い陽イオン界面活性剤の第四級アンモニウム塩/石油合成の香料/マイクロカプセル(香りが長く続く・移香する・洗っても取れない)/溶剤、防腐剤、安定化剤など添加剤/揮発性有機化合物(VOC)の製品からの揮発/多種の化学物質の複合影響
学校での香害問題
  • 給食着の柔軟剤臭による体調不良
  • 同級生の衣類の香りで体調不良、学校や幼稚園に通えなくなる子どもたちがいる。香害被害をうまく伝えられずに不登校の原因になっている可能性もある
  • 教師が体調不良を起こすケースもある
香害によって増える化学物質過敏症患者 香害は令和のシックハウス症候群
  • 化学物質過敏症患者を実際に見ている医師によると香害による患者が増えている。「小児科の化学物質過敏症外来を受診した子供40例の発症の契機で一番多かったのは衣類に残る柔軟剤の香料。化学物質過敏症発症防止には、柔軟剤の使用を自粛するべきである」
  • 10年ほど前はシックハウス症候群で化学物質過敏症を発症することが多かったが、近年になればなるほど香害によって化学物質過敏症を発症する割合が増え、2年以内では化学物質過敏症発症の要因の8割が香害(第31回日本臨床環境医学会学術集会 2023.5.25:https://youtu.be/z0Bi9jfZhVU?si=n7101am2f7kGP_un&t=1123
  • 厚生労働省の化学物質過敏症の研究報告では70%の有症者の契機が香害。柔軟剤と含まれる香料の香りが症状の出現に強い相関性があり、香料の使用は十分に考慮される必要性があると結論づけている。(https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202211048A-buntan8.pdf
  • 厚労省の『科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル』にも「柔軟剤などに含まれるにおい成分は揮発性の高い化学物資」「保留剤としてフタル酸エステル類が使用されることがある」「シックハウス症候群の原因になる可能性がある」と書かれている。
    (P211:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000155147.pdf
学校のシックスクール対策は?
  • 文科省の『学校環境衛生管理マニュアル』に、シックスクール対策として6つの化学物質の基準値を定めているが、これは建材や備品から発生する揮発性有機化合物(VOC) を無人の状態で測定するものであり、生徒が教室にいる状態で測定されていない。
  • 横浜市立学校の「空気の見える化プロジェクト」で教室の空気質を測定した時に、測定器に表示されていたTVOC(揮発性有機化合物の総量)の測定値は1.099mg/㎥(1099μg /㎥)で、厚労省の室内空気室のTVOC暫定目標値400μg /㎥を大幅に超えている
  • カナダ労働安全センターは、従業員の健康上の懸念に基づき職場の無香料ポリシー政策を取っている。(02-2_2_04_カナダ労働安全衛生センター(CCOHS) の無香料ポリシー
  • カナダで行われた化学物質過敏症の国際会議の発表によると、無香料ポリシーのある空間はTVOCが70%も削減され、ホルムアルデヒドやベンゼンなどのVOCが半減する。
  • 埼玉県の『シックスクール問題対応マニュアル』には『香りへの対応』が記載されている。文科省の『学校環境衛生管理マニュアル』にも香害対策を入れてほしい
  • 室内空気が悪いと学業成績や学習に悪影響を与え、児童や教職員の欠勤が増える可能性がある。香害のない健やかな教育現場を実現してもらいたい

『学校環境衛生管理マニュアル』P21 『教室等の環境に係る学校環境衛生基準』:https://www.mext.go.jp/content/20230817-mext_kenshoku-100000613_2.pdf

ア.ホルムアルデヒド  100μg/m3 以下であること。
イ.トルエン  260μg/m3 以下であること。
ウ.キシレン  870μg/m3 以下であること。
エ.パラジクロロベンゼン  240μg/m3 以下であること。
オ.エチルベンゼン  3800μg/m3 以下であること。
カ.スチレン  220μg/m3 以下であること。

ANNnewsCH『教室のCO2濃度「見える化」 横浜の全市立学校で導入(2023年7月13日)』: https://www.youtube.com/watch?v=GurUH548LeE

③ 学術調査結果・寺田良一(明治大学名誉教授、環境社会学)

『子どもの「香害」と環境過敏症状に関する全国調査の中間報告〜「香害」と教育現場の諸問題に関する解析結果』
「NPOの「有害化学物質削減ネットワーク」に2000年代初めから参加しているが、学習会に参加した化学物質過敏症患者の苦境を見て大変な問題だと調査を始めたのが2010年。それから北條先生や永吉先生とこの問題を考えてきた。」

調査結果報告

  • 香害をなくす議員の会の所属議員の要請によって兵庫県宝塚市、北海道厚岸町での小中学生の香害実態調査を行った結果「宝塚市で中学生の8.9%、厚岸町で中学生の8.3%が体調不良」からより専門的な全国規模の学術調査の必要性を感じ、日本臨床環境医学会、室内環境学会で化学物質過敏症の研究をしてきた 北條祥子尚絅学院大学名誉教授、児童・生徒の化学物質過敏症の実態調査をしてきた永吉雅人新潟県立看護大学准教授の指導を受け、研究者有志が質問票を作成、調査を実施。
  • 全国で園児、小中学生10,071名の調査を行った。その結果、香害による体調不良は全体で8.3%、小中学生全体で10.1% 成長とともに増加し、中学生では12.9%、8人に1人。症状は腹痛や吐き気、頭痛や頭重、関節痛/筋肉痛や脱力、鼻水や鼻詰まり、目の痛み/かゆみなど。
  • 香害被害は教室内で体験することが多く、教室から出ると症状が軽くなることがある。香害による体調不良が不登校につながる場合もある。

まとめ

  • 本調査は初の学術的な香害の全国調査であり、その意義は大きい
  • 宝塚市、厚岸町の先行調査の結果はかなり一般的、全国的に見られる傾向であることが確認された。継続して推移を観察するべき
  • 未就学児では2%前後の香害体調不良経験は成長/学校生活の継続によって増え、小学校高学年以降は10%台になる。「不快レベル」の香害を含めれば、すでに多数の児童生徒が香害被害を受けている
  • 腹痛、頭痛、筋肉痛などの体調不良のかなりの部分が教室で体験されており、香害で学習環境が損なわれている実態がうかがえる。学校教育環境の問題として、北米に於けるフレグランスフリー政策、公共空間のケミカルなバリアフリー化の推進が検討されるべきである
④ 文科省への要望書・寺本早苗(香害をなくす議員の会代表、宝塚市議会議員)

文科省への要望書より抜粋:

要望団体:香害をなくす議員の会、香害をなくす連絡会

香料入り洗剤・柔軟仕上げ剤(以下柔軟剤)などの身近な生活用品から発せられる人工化学物質によって、頭痛・吐き気・倦怠感・動悸・呼吸困難などの症状を引き起こされるケースが増加し、社会問題となっています。最近では抗菌消臭成分を配合した製品による「香害」も増え、全国で患者数が100万人以上とされる化学物質過敏症の入口となる可能性が指摘されています。

とりわけ成長過程にある子どもたちにとって、化学物質への曝露は将来的な健康リスクの要因となるため、学校環境における予防的対応が極めて重要です。2024年度に日本臨床環境医学会・環境過敏症分科会および室内環境学会・環境過敏症分科会が、全国約1万人の児童生徒を対象に行った「子どもの『香害』および環境過敏症状に関する実態調査」の結果、学校で香害による体調不良を起こしたことがある子どもの割合は約10%にのぼり、約2%は香害のために不登校傾向にあることが判明しています。

教育機関には、すべての子どもたちの心身の健康を守り、「学ぶ権利」を保障する責任があります。現状を看過し、手を打たずにいることは、教育の公平性を損なうことにつながります。

「新しいシックスクール問題」と言える香害による健康障害から子どもたちを守るため、学校をフレグランスフリーな空間に整えていくことを目ざし、下記の事項について、貴省から全国の自治体および教育委員会に対する積極的な指導と対応を要望いたします。お忙しいところ恐縮ですが、回答は9月20日までに下記連絡先にお送りください。

〈要望事項〉
1.化学物質過敏症(香害を含む)に関する全国的な実態調査の実施。教育現場における影響の把握と、科学的データに基づく施策の基盤整備。

2.学校内での香り製品使用に関するガイドラインの策定。香料・抗菌消臭成分入り洗剤・柔軟剤、香料製品の使用を控える指導の明文化と徹底。

3.教職員・保護者・児童生徒への教育・啓発活動の強化。香害の健康影響に関する理解を促進し、配慮の文化を醸成。

4.香害による健康被害を受けた児童生徒への配慮策の推進。換気の徹底と、座席配置やマスク着用支援などの柔軟な対応。

5.給食用白衣の家庭洗濯に関する指導の徹底。香料・抗菌消臭成分入り洗剤・柔軟剤の使用回避の周知と、衛生管理への配慮。

6.保健調査票への項目追加。香害を含む化学物質過敏症に関する記述を加え、現場対応の参考とする。

7.「学校環境衛生基準」への香害対応項目の追加。まずは、「健康的な学習環境を維持管理するために-学校における化学物質による健康障害に関する参考資料-」の改訂。カーテン等の備品・衛生用品・生活用品等に関する対応指針を盛り込み、 「香害」への言及を明確化。あわせて、自治体シックスクールマニュアル等への加筆も指導。

8.教育環境の空気質の把握と改善支援。子どもが在室する状態での教室内空気質測定と浮遊粉じん検査の段階的な制度化。測定値や過去との比較に基づく検証と、必要な対策の実施および教育現場への支援を進める。

〈結びに〉
子どもたちが安心・安全な環境で健やかに学び、育つことができる教育現場の実現は、国民すべての願いであり、国の未来を担う重要課題です。香害による健康被害と学習阻害を見過ごすことなく、文部科学省におかれましては、制度的・実務的両面において早急かつ的確な対応を賜りますよう、切にお願い申し上げます。」

香害をなくす議員の会所属 谷岡隆(たにおかたかし)習志野市議会議員のブログに記者会見、要望書の要旨などがわかりやすくまとめられています。https://bootsman.exblog.jp/33812575/

⑤ 質疑応答

香害をなくす議員の会所属の議員や参加者との活発な質疑応答、意見交換が行われました。以下は質疑のごく一部の抜粋です。ぜひ最後まで視聴してください。

  • 寺田氏:10年以上化学物質過敏症患者と話してきたが、よく聞かれるのは、腹痛や頭痛などの身体的な被害だけでなく「感情のコントロールがきかなくなる」「記憶が飛ぶ」などの神経症状。子供が「キレる」「ムカつく」が問題になったことがあったが、文科省のデータではこの十数年で発達障害が数倍に増加している。社会学者として、子どもの異常について身体的だけでなく、化学物質の中には神経毒性のあるものもあるというところまで広げて考えていきたい。
  • 個別ではなく、みんなで一緒になって消費者製品に規制を求めていかなければいけない。物質だけではなく香り長持ちなど、技術にも規制をかけることが必要
  • 杉浦氏:防毒マスクをつけざるを得ない子供達は、教室から隔離されて授業を受けている。「特殊な人を隔離してきれいな空気のところで勉強してください」というのは全く私たちが望むところではない。そういう子たちも一緒に勉強できる、そのためには白衣だけでなく普段着ている服からもそういう物質が出ないようにみんなで柔軟剤や抗菌消臭洗剤を使わないようにする、国がそういう被害を生むような製品を作らせない、消費者はそういう製品を買わない、そういうことを広めない限り被害者は隔離されてしまう。

資料は日本消費者連盟のウエブサイトで閲覧することができます:https://nishoren.net/new-information/21829

記者会見&院内集会の報道

東京新聞『「害」になってしまった柔軟剤の香り 教室にただよう化学物質、1割が体調不良を経験…急がれる「香害」対策
2025年8月22日』:https://www.tokyo-np.co.jp/article/430158

香りに起因する「香害」が子どもたちの心身の健康を脅かしている。20日に公表された初の全国調査によると、小中学生の1割が香害による体調不良を経験。未就学児も合わせた体調不良経験者の4人に1人に登園・登校を嫌がる傾向があった。衣料用洗剤や柔軟剤に含まれる香料の人工化学物質が原因で、識者は「教育現場の早急な対策が求められる」と警鐘を鳴らす。(西田直晃)
◆「下校時には何もかもに臭いが移っている」
 「『そんな人はいない』と言われがちだが、実際にわが子は香害で学校に行けなくなった」。20日の衆院議員会館での院内集会で、小学1年の男児を連れた母親は語った。親子ともに身に着けた防毒マスクを外出時に手放せないという。

共同通信『小中10%、「香害」で体調不良 消費者団体などが対策要望』2025年8月20日:https://www.47news.jp/13038619.html

衣料品の洗剤や柔軟剤に含まれる香料の人工化学物質によって小中学生の10.1%が、学校で頭痛や吐き気などの症状に陥った経験があることが20日、学術団体や消費者団体などの調査で分かった。香りを原因とする体調不良は「香害」と呼ばれ、消費者団体などは啓発活動の強化など、学校での被害防止に向けた対策を求める要望書を文部科学省に提出した。

要望した団体は日本消費者連盟などでつくる「香害をなくす連絡会」と、超党派の地方議員による「香害をなくす議員の会」。調査は2024年5月~25年1月に実施し、北海道、新潟、兵庫など9都道県の21自治体の小中学生約8千人と、幼稚園や保育所の未就学児約2千人から回答を得た。未就学児を含めた全体では、柔軟剤などの香料で体調不良になった経験のある子どもの割合は8.3%だった。

要望書では、全国的な実態調査も求めた。

今回の調査に参加した明治大の寺田良一名誉教授(環境社会学)は、体調不良の多くが教室で起きているとして「香害で学習環境が損なわれている」と指摘した。

朝日新聞『香害』で体調不良になった」小中学生の1割 学会が1万人に調査』https://www.asahi.com/articles/AST8N2V5VT8NUTIL00LM.html?ref=tw_asahi
編集委員・氏岡真弓 2025年8月20日

 整髪料や香水など周りの人工的な香りで、小中学生の1割が体調不良になったことがあるという調査結果が20日、公表された。

 教室などで経験したという小中学生や幼稚園児・保育園児も約4%という結果だった。

 「香害」の防止を訴える市民団体などが、文部科学省に実態調査の実施などを求めた。

朝日新聞の英語版にも記事が掲載されました。

『Fragrance sensitivity affects 1 in 10 students, survey finds 』By MAYUMI UJIOKA/ Senior Staff Writer August 21, 2025:https://www.asahi.com/ajw/articles/15978381

Around 10 percent of Japanese elementary and junior high school students have suffered health problems due to fragranced products such as laundry soap and perfumes, according to a current survey. 

学校における「香害」および化学物質過敏症対策に向けた要望に対する文科省の回答(2025年9月30日)

日本消費者連盟のウエブサイトに、文科省への要望書提出後9月18日に行われた文科省の職員と香害をなくす議員の会所属議員の面談の様子、文部科学省の担当部署、小等中等教育局・食育科から大河原まさこ議員あての要望書への回答が掲載されています。面談も回答書もゼロ回答。「香料等に起因して健康不良を訴る児童生徒等がいることは承知しているが原因等についてはまだ十分に明らかになっておらず、疾病概念が確立していない状況と認識しているため、その被害の全体的な状況について、実態を調査することは困難」「児童へは個別対応」という従来の答弁を繰り返すものでした。

しかし、厚労省の調査では香害が化学物質過敏症を起こすことが明示され、化学物質過敏症発症の機序もかなりわかってきています。今回の回答も全く誠意のないもの、子供の健康や人権をないがしろにしたものだと言えるでしょう。下記の記事に掲載した厚労省の研究結果では「約70%の有訴者の契機が、柔軟剤、 洗剤、除菌剤等に含まれる香料の香り(臭 気)であることがわかった。」としています。また、後藤大臣は、予算委員会で「柔軟剤等の香料として使用される微量な化学物質によりまして、頭痛や吐き気等、様々な症状を訴える方がいるということを承知しております。」と答弁しています。調査をしない本当の理由は何でしょうか。

香害をなくす議員の会と香害をなくす連絡会は、文部科学省への要望書提出後の9月18日、内容をより掘り下げて伝えるために職員と面談しました。衆議院の大河原まさこ議員に仲介していただき、議員の会から4人、連絡会から2人が出席。文科省からは初等中等教育局健康教育・食育課保健指導係長、同企画調整係長の2人が出席しました。
回答は全8項目に渡りゼロ回答でした。「病態や発生機序が明確になっていない」ことを理由にして、実態調査もガイドライン策定も保健調査表への項目追加も難しいとのことでした。「個々の児童生徒の実情に応じて個別の配慮を行うことが重要」として、各自治体や学校に解決を丸投げする姿勢を変えませんでした。

文部科学省からの回答https://nishoren.net/wp/wp-content/uploads/2025/10/1df2fcabd66485dccec62b71c8117e5c.pdf

ユープランについて

ボランティアでこの記者会見・院内集会の撮影をしてくださったユープラン(UPLAN)さんは、さまざまな市民運動の動画を無償撮影・配信しており貴重な歴史的記録になっています。カンパで活動を支えましょう。

Facebook ユープラン映像・過去ログ 2018年10月8日『チーム・ユープラン設立について』:https://www.facebook.com/UPLANasia/posts/2289136134449281/?locale=ja_JP

ユープラン(UPLAN)は2011年3月の原発事故をきっかけに動画撮影を開始し、2012年夏以降はYouTubeでの配信をおこなってまいりました。内容も原発問題のみでなく多くの分野に及んでいます。この間個人的に頂戴したカンパは旅費や動画処理用の高性能機種パソコン装備に使いました。迅速に多くの配信を可能にしているのは、まさに皆さま方からのご支援の賜物であります。

2018年初頭にはYouTubeによる配信件数が3000件、総アクセス数も300万件を超えました。また私は歴史研究に携わってきた者として一次情報を後世に伝えることの大切さを認識しており、未来の人々が今の狂った政治・社会状況について研究する時には重要な歴史資料として活用してもらえると信じております。

チーム・ユープラン カンパ口座
ゆうちょ銀行
口座名称 チーム・ユープラン
店名 〇一九(ゼロイチキュウ)店
口座番号 当座0392552
記号番号 00100-5-392552