2025.12.14 更新
日本の化学物質に関する基準は緩く、ありふれた日用品が深刻な健康被害を起こしている
2020年に「香害をなくす連絡会」が行った香り付き日用品による香害被害のアンケート https://nishoren.net/flash/13304 には9,000件以上の回答があり、被害があるという答えは79%の7,136件、香害の原因の第一位は柔軟剤(86% 6134件)、第二位は香り付き合成洗剤(73.3% 5259件)。ありとあらゆる香り付き日用品が香害の原因になっていますが、柔軟剤と合成洗剤は圧倒的に大きな被害を起こしており、香害と呼ばれています。香害には香料だけではなく、洗濯用品に配合されている抗菌剤やマイクロカプセルなど香りや抗菌消臭を長持ちさせるための「徐放技術」による健康被害も含まれます。日本消費者連盟『日本石鹸洗剤工業会への質問と回答の要約』:https://nishoren.net/new-information/20665
このような日用品による健康被害「香害」は合成洗剤や柔軟剤の使用者だけではなく、使用者の近隣住民、同僚、同級生が使用者の服や自宅から揮発する成分によって化学物質過敏症を発症するなどして全国的に深刻な被害が広がっている、かつてない規模の公害です。
テレビなどCMでは人気タレントが柔軟剤や香り付き、消臭や除菌をうたう日用品を、良い香りのする、あなたの生活を安全にする、悪臭を消すなどと盛んに宣伝しています。「大好きなOO君が宣伝している製品が体に悪いわけがない」「日本は安全基準が厳しい。店で普通に売られているものが危険なはずがない」と思いたいですが、実際には日本の化学物質に関する基準は緩く、普通に売られている日用品で深刻な健康被害が起こっています。
弁護士ドットコムニュース@bengo4topics Sep 25, 2023『「顔に殺虫剤を吹きかけられたような症状」「咳が止まらなくなったり、息ができなくなったり、鼻血が止まらなくなったりした」などの被害の声が寄せられているといいます。』https://twitter.com/bengo4topics/status/1706491590993420428
メーカーが公開している成分を見ると「無添加」「赤ちゃん用洗剤」を標榜して産院などに試供品を提供している合成洗剤「さらさ」にも直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のような汚染物質排出・移動登録制度の指定物質や、ポリエチレンイミンのような非常に毒性の強い物質で合成した成分が、柔軟剤にも有毒な第四級アンモニウム塩が二種類掲載されており、多くの健康被害を起こしています。日本は成分開示の法的義務が緩いので、総称でない正確な化学物質名や含有量など成分の詳細、またこの他にどのような成分が入っているか消費者にはわかりません。:https://jp.pg.com/ingredients/sarasa/
また、「無添加」や「自然」「オーガニック」などの宣伝文句に法的規制はありません。「さらさ」に無添加なのは何かというと、P&G公式さらさ宣伝ページ「本当に選んで大丈夫?赤ちゃん用洗剤「さらさ」の信頼度チェック!」に書いてあるのはこれだけです:「*2 液体洗剤「さらさ」は蛍光剤・漂白剤・着色料、柔軟剤「さらさ」は着色料、がそれぞれ無添加」:https://sarasajp.com/article/trustworthy
「さらさ」は無香料ですらなく、多種類の香料入りで強く長く香り、数年前の聞き取り調査ではマイクロカプセルは使用していないということだったようですが、移香もします。リナロールやリモネンのような毒性の強い香料も配合されています。ドラッグストアなどで自然派洗剤の棚に並べられていることがありますが、無香料洗剤、有毒物質フリーな製品と間違えないように注意が必要です。さらさ香料成分:https://assets.ctfassets.net/ugm1tr5brd4w/70VTdtE7xkJCPzoI0mAna9/683677ea34a2f328f918f78c11d4b00b/sarasa-gel_fragrance.pdf
カリフォルニア州で成分開示義務がある洗剤や柔軟剤の香料成分は、日本の法律ではまとめて「香料」とだけ表示することができます。EUで意図的に商品に添加することが禁じられたマイクロプラスチック(https://www.echa.europa.eu/hot-topics/microplastics)は、日本では海岸漂着物処理推進法(https://laws.e-gov.go.jp/law/421AC1000000082)で配合をしないようにという努力義務規定がありますが、全く遵守されていません。
化学物質過敏症を「精神病」「心理的なもの」とする誤った言説がいまだに見られますが、化学物質過敏症は2009年厚生労働省によって「中毒」の項目に分類され、病名登録をされた保険適用の病気であり、精神疾患ではありません。03-2_1_03_医療・介護・教育関係者への啓発ー香りの常識の変質
また、2023年に公表された厚労省の研究によれば、「化学物質過敏症状を訴える患者の約70%の有訴者の契機(要員)が柔軟剤、 洗剤、除菌剤等に含まれる香料の香り(臭 気)であることがわかった。」ということで、「香りが及ぼす影響が大きいことから、生活の中での香料の使用について考えた方がいいのではないか」と結論づけています:01-4_2_01_化学物質過敏症は公害病
日本で製造販売されている柔軟剤や合成洗剤には下記のような問題点があります。この目次のリンクでこの記事下方の該当部分にジャンプすることができます。香料や他の成分の詳細については「02-1 日用品には何が入っている?」「02-2 香料の何が問題なのか」のカテゴリなどに詳細な情報が掲載されていますので、是非ご参照ください。
日用品の成分をチェックしようーGHSラベル表示と安全データシート
何気なく買っている日用品に一体何が入っているのか知っていますか。日本は化学物質の規制が緩いので、EUや米国で禁止、または自主規制している有毒物質が入っているものも多いのです。全成分公開の法整備が進んでおらず、公開義務のある情報が不充分、公開されている以外にどんな成分が入っているのか全く不明なのも問題です。それでも公開されている分だけでも成分を知ること、また成分が公開されているかどうかを知ること自体が安全な製品を選ぶためにとても重要です。日用品を購入する前にパッケージやメーカーのウエブサイトで成分をチェックしましょう。
業務用の洗剤、柔軟剤などには指定物質が配合されていればGHSマークの表示や安全データシートの提供が法律で義務付けられています( 家庭用は除外)
厚労省の安衛法(労働安全衛生法)と毒劇法(毒物及び劇物取締法)、経済産業省の化管法(化学物質排出把握管理促進法)によって、労働者の安全を守るために指定物質の入っている業務用の製品について容器へのGHS*ラベル表示、取り扱い業者へのSDS(安全データシート)の交付が義務付けられています。しかし家庭用の製品には義務がありません。
厚生労働省による説明の冊子『化管法・安衛法・毒劇法における ラベル表示・SDS提供制度』:https://www.mhlw.go.jp › anzen › 130813-01-all
化学物質がこの制度の指定物質であるかどうかは法律によって異なりますが、厚労省の安衛法、毒劇法の指定物質は厚労省サイトのページで検索できます。厚労省 GHS対応モデルラベル・モデルSDS情報:https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/ghs_msd_fnd.aspx
化学物質名は別名があったり物質の総称だったりなど、名称だと検索にかからないことが多いです。LASの総称である「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸」では検索に出ず、デシルベンゼンスルホン酸などのCAS番号31093-47-7を入れると検索に出ます。「リモネン」もCAS番号:5989-27-5で検索に出ましたが、名称では検索できませんでした。検索結果のリンクをクリックすると、安全データシートが表示されます。検索方法ガイド:https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/gmsds_ope.html
経産省の化管法の指定物質は経産省のWEBサイトで検索できます。
経産省 化管法SDS制度 対象化学物質情報ページ:https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/msds/2.html
全成分を開示している安全な商品を買えばこれらの問題は回避できる
安全データシート(SDS)には、法律に基づいて成分に毒性があれば化学物質の国際規格であるGHSに基づいたピクトグラムが掲載されています。洗剤や柔軟剤も業務用のパッケージにはGHSマークがついていますが、家庭用には表示がありません。市民団体が家庭用にも表示をするよう政府に働きかけています。2024年7月20日発行「消費者リポート」:https://nishoren.net/new-information/19937
個別の業務用洗剤、柔軟剤などの安全データシートはメーカーのウエブサイトでは公開されておらず、「メーカーや顧客に不利益をあたえないと同意」して企業名や業種など情報を出さないとSDSがDLできなかったりしますが、「製品名 安全データシート」で検索すると、その製品を使用または販売している会社のウェブサイトから安全データシートを見ることができます。
この業務用製品へのGHSマークラベル表示やSDS交付の法律も、ポリエチレンイミン、ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル、塩化水素など、よく見る合成洗剤や柔軟剤に配合されている有毒な成分が指定物質に入っていないなど、充分とは言えません。化学物質の種類は7万、毎年約1,000物質が新規化学物質として届出られています。厚生労働省『安衛法に基づく化学物質管理の考え方と改正点のポイントについて』:https://www.nite.go.jp/data/000156185.pdf
ある有毒物質に規制が掛かれば、すぐに新しく似たような機能、毒性を持った物質が開発され、違う名前、違う番号で登録されるので、規制してもきりがありません。消費者はいちいち成分を調査するよりも、石けん洗剤や酸素系漂白剤、セスキや重曹など、全成分を開示していて安全な成分しか入っていない洗濯用品、メーカーが安全データシートを交付する必要がない製品を購入するのが一番手っ取り早く健康を守ることができると言えるでしょう。
石けん洗剤やセスキなど安全な製品に切り替える時に大事なことがあります。合成洗剤や柔軟剤を使っている洗濯機や衣類、寝具には成分や汚れが蓄積しているので、まず洗濯機や衣類のデトックスが必要です。
石けん洗剤は洗浄力が高いので、洗濯槽や衣類に蓄積した汚れやカビ、柔軟剤や合成洗剤のマイクロカプセルやシリコンなど成分のドロドロも洗い落とすため、石けん洗剤に切り替えてしばらくは洗濯中に蓄積臭の悪臭がすることがあります。また、衣類に蓄積した悪臭やゴワゴワは石けんに切り替えてもすぐにはなくなりません。完全に落とすことは無理ですが、少しづつ薄れてはいきます。半年ほどでだいぶ薄れるようです。
合成洗剤+柔軟剤から石けん洗剤やセスキに切り替える前に、まずは酸素系漂白剤などで洗濯槽を掃除しましょう。柔軟剤が蓄積して黒ずんだタオルや衣類も石けん洗剤と酸素系漂白剤を使ったつけ置きが有効です。きちんと汚れが落ちればタオルもふわふわしますので、柔軟剤は不要です。
*GHS: 化学物質・化学品の取り扱いの国際的取り組み。危険有害性を表示する世界的に統一されたシンボルマーク(絵表示)と言葉による注意喚起語と危険有害性情報 厚労省『GHS:化学品の分類および表示に関する世界調和システム』:https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/kag/ankg_ghs.htm
CMで盛んに宣伝され、店に山積みになっている合成洗剤や柔軟剤には下記のような大きな問題があります
柔軟剤の主成分、第四級アンモニウム塩など陽イオン界面活性剤の毒性
吸引や接触によって皮膚や呼吸器への刺激・ダメージがある
衣類をふんわりさせる目的で配合される柔軟剤の主成分です。殺菌作用があるので抗菌剤として抗菌をうたう合成洗剤や除菌消臭スプレーなどの日用品にも使われています。家庭用品品質表示法など法律や業界の自主基準によって、「第四級アンモニウム」「塩化ベンザルコニウム」などとパッケージやメーカーのサイトに表示されていることもありますが、消臭剤や柔軟剤などは家庭用品品質表示法の指定品目ではないこともあり、単に「抗菌剤」「粘度調整剤」などの名称で配合されていることも多いです。消臭スプレーの「quat(クウォット)」という成分も、第四級アンモニウム塩です。
柔軟剤は主成分がこのように有毒なので、無香料であっても有害です。柔軟剤は合成洗剤の汚れ落ちの悪さやすすぎ不足によるゴワつきや悪臭を香料や化学物質のコーティングで誤魔化すためのマッチポンプ商品です。汚れ落ちに優れた石けん洗剤や酸素系漂白剤、セスキなどでしっかり汚れをおとし、二回以上たっぷりの水ですすげば洗濯物が臭ったりごわつくことはありません。柔軟剤は必需品などではなく、不要なものなのです。
柔軟剤の主成分、第四級アンモニウム塩は、細胞のタンパク質を変性するため殺菌作用があります。当然皮膚に強い刺激があり、かゆみや湿疹の原因になります。アトピー性皮膚炎の患者は柔軟剤を使用しないよう、皮膚科医も呼びかけています。「盲点は洗濯時に使う柔軟剤です。胴体の部分の湿疹がひどい人に柔軟剤が原因となっている場合が多くあります。」
第四級アンモニウム塩は柔軟剤だけでなく、抗菌消臭をうたう合成洗剤や消臭スプレー、制汗剤やワイプなど多くの日用品に使われています。こういった製品をやめたらしつこいかゆみや皮膚炎が軽快したという事例が多くあります。
全日本民医連『特集2 アトピー性皮膚炎 悪化誘因対策が大切 ステロイド軟こうも上手に使って』: https://www.min-iren.gr.jp/news-press/genki/20111201_7042.html
特定非営利活動法人日本アトピー協会『アトピーの原因』:https://www.nihonatopy.join-us.jp/padyna/genin/kankyo.html
第四級アンモニウム塩は呼吸器にも刺激が強く、これらの消毒剤を使用する看護師の慢性閉塞性肺疾患(COPD)発生リスクを25~38%増加させたという研究があります。
週刊女性PRIME「皮膚の薄い陰部は、特に経皮吸収率が高いことがわかっています。ー中略ー 肌トラブルがなかなか改善されないという人は、いま使用している洗剤を見直し、柔軟剤の使用をやめてみましょう」:https://www.jprime.jp/articles/-/21964?page=3
第四級アンモニウム塩(Quat クウォット) は化学物質の総称
第四級アンモニウム塩という名称は、「塩化ベンザルコニウム」「塩化ベンゼトニウム」など多くの化学物質の総称で、化学物質の名前そのものではありません。成分表示には、具体的な化学物質名だけでなく、このような総称すなわち「第四級アンモニウム塩」「Quat (Quaternary ammonium salts/chloride)」「エステル型ジアルキルアンモニウム塩」などがよく用いられます。第四級アンモニウム塩といわれる個々の化学物質の用途や毒性の強さは様々です。
「塩化~」は「クロリド」と記述されることもあります。化学物質には別名が多いので、成分について疑問があればメーカーに問い合わせをしましょう。
ライオンの化学物質販売部門HPの第四級アンモニウム塩の説明です。柔軟剤用として18種類の第四級アンモニウム塩の化学物質がリストされています。: https://www.lion-specialty-chem.co.jp/ja/structures/cationic/01.php
第四級アンモニウム塩が脳の健康に脅威をもたらしている
ケース・ウェスタン・リザーブ大学医学部の研究チームの最近の研究によって、繊維をコーティングする柔軟剤の主成分であり、また細胞膜を破壊して殺菌する作用があるため抗菌剤として抗菌・消臭をうたう合成洗剤や柔軟剤、消臭スプレー、抗菌・除菌グッズ、ハンドジェル、各種ワイプなどに広く使われている第四級アンモニウム塩が、多発性硬化症や自閉症スペクトラム障害などの神経疾患に関連する可能性があるという研究成果を2024年に発表しました。02-2-3_03 香害関連記事(海外 2023-2024)
ニューロサイエンス誌『Neuroscience News March 25, 2024』 “Household Chemicals Linked to Brain Health Risks” :https://neurosciencenews.com/household-chemicals-brain-health-25807/
ナゾロジー「芳香剤、実は分類上「空気汚染」アルツハイマー病のリスクとも関連 2024.11.02 」https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/164824#google_vignette
第四級アンモニウム塩が配合されている洗濯用品の例 化学物質名が不明なもの、非常に毒性の強い塩化ベンザルコニウムが配合されているものもあります:
P&Gの合成洗剤・柔軟剤 さらさ成分:https://jp.pg.com/ingredients/sarasa/
P&Gの合成洗剤 アリエール成分:https://jp.pg.com/ingredients/ariel/#ariel-six
P&Gの柔軟剤 レノア成分:https://jp.pg.com/ingredients/lenor/
花王の合成洗剤 アタック抗菌EX 成分:https://www.kao-kirei.com/ja/item/khg/attack/inc-common/fabric/4901301434258/?tw=khg
花王の柔軟剤 ハミング消臭実感成分:https://www.kao-kirei.com/ja/item/khg/humming/inc-common/fabric/4901301418142/?tw=khg
ライオンの柔軟剤 ソフランプレミアム消臭成分:https://www.lion.co.jp/ja/products/281#container-ingredients
第四級アンモニウム塩が免疫系に及ぼす影響
『東京都健康安全研究センター研究年報 第61号 別刷 2010』に掲載されている研究では、QUAT(第四級アンモニウム塩)の作用には用量依存性がみられることから、少量の繰り返し暴露で免疫抑制作用が起こる可能性があるとしています。「消臭,殺菌の目的でカーテン や家具に噴霧した薬剤が,少量でも,頻繁に,直接あるい は手を介して口に入る可能性が,特に乳幼児の場合に考え られ,今後の詳細な検討が必要である.」
「4級アンモニウム化合物(QUAT)のマウス免疫系に及ぼす影響」:https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/files/archive/issue/kenkyunenpo/nenpo61/01-44.pdf
BBCニュースは、寝具に大量に振りかけ眠る習慣があった14歳少女が衣類用消臭スプレーにより死亡”したニュースを報じました。死亡した少女の両親は消臭スプレーの危険性についてラベルにもっとはっきりした警告を表示するよう求めています。”Dad’s warning after girl, 14, dies from inhaling deodorant” 26 January 2023:https://www.bbc.com/news/uk-england-derbyshire-62078939
CMに煽られて多くの思春期の子供達は体臭恐怖に陥っています。学校の部活などに消臭スプレーを持ちこんで使ったり、学校が発行した修学旅行の持ち物リストに消臭スプレーが掲載されたりしています。子供達がそれぞれに消臭スプレーを使った場合の部屋の空気質はどうなるのか心配です。
第四級アンモニウム塩は水生環境有害性があり、耐性菌出現の原因にもなっている
塩化ベンザルコニウムの安全データシートを見ると短期、長期共に水生環境有害性があることがわかります。合成界面活性剤であると同時に殺菌作用もある第四級アンモニウム塩は環境中で耐性菌出現の原因にもなっていますが、日本では水質基準がありません。
論文『Quaternary Ammonium Compounds: A Chemical Class of Emerging Concern 第四級アンモニウム塩:化学物質の新たな懸念』:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37157132/
「これらの化学物質の環境放出も増加している。QACs(第四級アンモニウム塩)の環境および人体への悪影響に関する新たな情報は、QACsの生産、使用、廃棄のライフサイクル全体にわたるリスクと便益の再考を促している。ーーー生態系への悪影響には、影響を受けやすい水生生物に対する急性および慢性毒性が含まれ、一部のQACsの濃度は懸念レベルに近づいている。健康への悪影響が疑われる、あるいは知られているものには、経皮・呼吸器への影響、発達・生殖毒性、脂質恒常性などの代謝機能の障害、ミトコンドリア機能の障害などがある。また、抗菌剤耐性におけるQACの役割も実証されている。」


論文『環境中の第四級アンモニウム塩の動態と毒性に関する総説』:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0048969715002727
・QACs (=Quat, 第四級アンモニウム塩)は世界中の水生および陸生環境に存在する。
・下水処理場(STP=sewage treatment plants)から排出される汚水と汚泥は環境中に放出されるQACの主な発生源である。
現在市販されている合成洗剤にも人体や環境に有毒な成分が入っている
陽イオン系だけでなく、洗剤に配合される合成界面活性剤は多かれ少なかれ毒性があり、多くは人体だけでなく水棲生物にも強い毒性があります。水槽に合成洗剤を垂らしただけで魚が死ぬ有名な実験のビデオ(『ほんとに安全?合成洗剤』監修:坂下栄 協力:エスケー石けん)がありますが、これはえらの細胞が破壊されて死に至ると考えられています。
市販の合成洗剤の多くに汚染物質排出・登録制度の指定物質が入っている
環境省は暮らしの中の化学物質に関する情報を、PRTR制度(Pollutant Release and Transfer Register [汚染物質排出・移動登録制度])を含めてパンフレットの形で提供しています。この制度は、国が定めた人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質が、どこから、どれだけ排出されているかを知るとともに、化学物質の排出量や化学物質による環境リスクを減らすための制度です。一般的な洗濯用、清掃用、食器用などの合成洗剤によく使用されている化学物質のいくつかは生態系に有害なおそれがあるとして、この制度の指定化学物質に定められています。
『環境省 PRTRインフォメーション広場 市民ガイドブック』このガイドブックにPRTR制度で第一種指定化学物質リスト、また商品に表示されている第一種指定化学物質の名称が掲載されています。商品パッケージやメーカーのウエブサイトにある化学物質名を検索すると該当物質が見つかると思います:http://www.env.go.jp/chemi/prtr/archive/guidebook.html
『PRTR市民ガイドブック第5章「もっと知りたいときには」』P80 『第一種指定化学物質リスト(平成20(2008)年改正、令和3(2021)年改正)』:https://www.env.go.jp/chemi/prtr/archive/guide_R04/5.pdf
P111〜 洗剤(界面活性剤・中和剤)「洗剤に含まれる界面活性剤の製品表示名称」には以下のような5種類の合成界面活性剤がPRTR対象化学物質として紹介されています。どれも広く市販されている合成洗剤によく配合されている成分で、配合されていない合成洗剤はむしろ少数派ですが、「安全な」合成洗剤や歯磨き粉、化粧品やハンドソープ/ボディソープなどによく入っていて、PRTR指定成分ではないSLS(ラウリル硫酸ナトリウム/ドデシル硫酸ナトリウム)にも問題があります(後述)。
| PRTR制度で第一種指定化学物質に指定されている合成界面活性剤名称及び略称 |
| 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩(デシルベンゼンスルホン酸など 略称 LAS) CAS 番号:31093-47-7(デシルベンゼンスルホン酸,C=10) CAS 番号 1322-98-1(デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,C=10) CAS 番号 27636-75-5 (ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム, C=11) CAS 番号 25155-30-0(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,C=12) CAS 番号 26248-24-8 (トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム, C=13) CAS 番号 28348-61-0 (テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム, C=14) など |
| 224 N,N−ジメチルドデシルアミン=N−オキシド (アルキルアミンオキシドなど 略称AO) |
| ドデシル硫酸ナトリウム(アルキル硫酸エステルナトリウムなど 略称AS) |
| ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど 略称AE) |
| ポリ(オキシエチレン)=ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム (アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム 略称AES) |
厚労省 安全データシート 『テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(C14)ー(LASの一種)』: https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/28348-61-0.html
PRTR対象化学物質の合成界面活性剤を配合している洗濯洗剤の例(2026.1.11アクセス):
P&G ボールド 成分:https://jp.pg.com/ingredients/bold/
ライオン Nanox One ニオイ専用 成分:https://www.lion.co.jp/ja/products/296#container-ingredients
花王 アタック ZERO 成分:https://www.kao.com/jp/products/attack/inc-common/fabric/4901301395719/
ヤシノミ洗たく洗剤 濃縮タイプ 成分:https://family.saraya.com/products/yashinomi/laundry.html
ヤシノミ洗剤は「蛍光剤・漂白剤・合成香料・着色料・抗菌剤 無添加」で毒性は低めですが、石油が原料でも植物が原料でも結果として生成した合成界面活性剤が化学的に同一であればその化学物質の毒性は同じです。植物原料で作った方が安全だという根拠はありません。
同じくPRTR制度の第1種指定化学物質に指定されている2-アミノエタノール(CAS番号:141-43-5 別名:エタノールアミン(Ethanolamine、MEA、モノエタノールアミン(Monoethanolamine) は、非常に幅広い用途で使用されており、pH調整や中和、繊維柔軟剤、溶剤、原料として多岐にわたる分野で利用され、合成洗剤や柔軟剤にも配合されています。
エタノールアミンを配合している洗濯用合成洗剤の例(2026.1.11アクセス):
アリエール成分情報:https://jp.pg.com/ingredients/ariel/
ボールド成分情報:https://jp.pg.com/ingredients/bold/
アタック抗菌EX 本体 750g 成分情報:https://www.kao-kirei.com/ja/item/khg/attack/inc-common/fabric/4901301434258/?tw=khg
一般的な合成洗剤は死亡事故、重大事故を起こしている
合成洗剤の主成分、合成界面活性剤は、無害な石けんとは違って「~に優しい」と宣伝されていても、人体や生物に多かれ少なかれ毒性があります。ライオンが世界で初めて野菜果物・食器洗い専用として売り出した台所用非液体洗剤「ライポンF」を一口飲んだだけで成人男性が2時間後に死亡した誤飲事故が1962年にありました。
石鹸百科『ライポンF誤飲・死亡事件』:https://www.live-science.com/bekkan/toba/keimei/keimei03.html
その遺体を司法解剖した監察医務局の死亡検案書には、冒頭に「本屍の死因は中性洗剤による中毒死である」とはっきり書かれていたのにもかかわらず、遺族がライオン油脂を相手に行った損害賠償請求の裁判では「庵島弘敏の死因が、ライポンFによるものであることを前提とする原告らの請求は、その余の事実について判断するまでもなく、理由がないのでこれを棄却する」という判決がなされたのです。
それから20年間、政府は「合成洗剤は通常の使用では無害」と言いつづけています。これは裏をかえせば、容器の注意書を守らなければ有害ということです。合成洗剤は毒なのです。
ライポンFに特別な有毒成分が配合されているわけではなく、メーカー提供の安全データシートによれば毒性があるのは 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS) など、ごく一般的に市販されている合成洗剤の主成分である合成界面活性剤です。
ちなみに、この業務用の安全データシートの「誤嚥有害性」は「分類できない」とされ、経口毒性に関する注意喚起はされていません。
LION 安全データシート 業務用 ライポンF液体 JIS Z 7253 : 2019に準拠 作成日: 2023/02/01:https://image.trusco-sterra2.com/pdf/sds/SGF4K_8027__SDS.pdf
ジェルボール型合成洗剤が発売され始めた当初から、消費者庁・国民生活センターには、ジェルボール型洗剤に関連した子どもや高齢者の事故情報が医療機関から寄せられており、事故が急増して消費者庁が注意喚起しています。ジェルボールはごく弱い力や温度の上昇で簡単に破れて中身が出ます。ほんの少量口にしただけで昏睡状態に陥った事故もあります。ジェルボール型洗剤も特別有害な合成界面活性剤が配合されているのではなく、公開されている情報によればごく一般的な合成界面活性剤が主成分です。
産経新聞2015.4.26「ジェルボール」相次ぐ乳幼児の誤飲 手軽さの裏側で死亡例も「とにかく手の届かぬところに」:https://www.sankei.com/article/20150426-5LKJHQ5I3JPYPPID5ISRO3XCSQ/
「中性の濃縮液体洗剤を水溶性フィルムで包んだ洗濯用パック型液体洗剤「ジェルボール」の誤飲事故が相次いでいる。昨年4月に発売されて以来、洗浄力や手軽さが支持されて人気商品となった一方で、子供の口や目に入ったなどの事故が後を絶たない。消費者庁には今年1月末までに延べ152件の事故情報が寄せられており、米国では死亡事故に至ったケースも報告されている。」
Livedoor News 2020.8.8 『ジェルボール洗剤を誤飲 スコットランドの乳児が昏睡状態に』:https://news.livedoor.com/article/detail/18702385/
「非常に強力な化学物質が1つのカプセルに詰まっているのです。ピアースはほんの少量を飲み込んだだけですが、今、集中治療室にいるのです。私達はこれが危険だということを自覚し、他の家族が同じ目に合わないようにと願っています。」
ビジネスジャーナル 2024年12月4日『ジェルボール洗剤、消費者庁が警鐘…愛用者急増で事故多発、急性呼吸不全で入院も』:https://biz-journal.jp/company/post_385338.html
2024年4月にP&Gアメリカはジェルボールタイプ(アメリカではポッドと呼ばれています)のタイド、ゲイン、エース、アリエール(いずれも合成洗剤)をパッケージを開けた時にポッドが破れる恐れがあり、子供などに深刻な障害を与えるリスクがあるとしてリコールしています:https://www.cpsc.gov/Recalls/2024/Procter-Gamble-Recalls-8-2-Million-Defective-Bags-of-Tide-Gain-Ace-and-Ariel-Laundry-Detergent-Packets-Distributed-in-US-Due-to-Risk-of-Serious-Injury
ジェルボール型洗剤の例:
ボールド成分:https://jp.pg.com/ingredients/bold/
アリエール成分:https://jp.pg.com/ingredients/ariel/
「ジェルボール 溶け残り」で検索すると、洗濯後に衣類に溶け残ったたくさんの事例が出てきます。「ジェルボール かゆみ」で検索すると、湿疹やかゆみを起こしている事例もたくさん出てきます。
アリエールのサイトの「ジェルボールの使用上注意、応急処置」には「万が一製品が皮膚や衣類に残った場合は、皮膚は水でよく洗い、衣類はぬるま湯にしばらくつけ置きしもみ洗いをしてください。」とあります。また、使用上の注意には「下洗いや手洗い用におすすめしません」とあります:https://ariel.jp/ja-jp/about-ariel/safety-precautions
刺激が強いのに溶け残りやすく、皮膚や衣類に残ったらよく洗い落とさなければいけないにも関わらず衣類に強力に接着して衣類に残ることによって成分が長持ちする仕様の洗剤、手洗いに使えない洗剤で洗濯するメリットは消費者にあるのでしょうか。
Forbes Japan 『見た目がきれいな洗剤の危険性、米専門家らが警告「命にかかわる問題」』2016.04.27:https://forbesjapan.com/articles/detail/11998
アイスクリームの容器に洗剤が付着し、商品を口にした3歳の女の子が入院
2025年8月17日に、合成洗剤を少量口にしただけで3歳の女児が口や喉に痛みを感じて嘔吐、入院するという事故がありました。そのようなもので食器や服を洗浄することは安全でしょうか。石けんは鳥や魚の餌になり、人や動物がなめても安全です。
「回転寿司チェーンの「はま寿司」は、提供したアイスクリームの容器に洗剤が付着し、商品を口にした3歳の女の子が一時、入院したと発表しました。はま寿司などによりますと、今月17日、宮城県名取市の「はま寿司」の店舗で、家族で食事をしていた3歳の女の子が提供されたアイスクリームのふたに付いた氷を口にしたところ、異常を感じて吐き出しました。女の子は口や喉に痛みを訴えたり、嘔吐などの症状を起こしたりして、一時、入院したということです。「はま寿司」によりますと、前日に従業員がキッチンの清掃に使う洗剤を冷凍庫の上に置き、漏れ出た洗剤が冷凍庫の中に流れ込み、容器に付着していたということです。」
オリコンニュースで同店の公式サイトに掲載された「洗剤が付着した商品のご提供に関するお詫びとご報告」を見ることができます。店の不注意も問題ですが、一番の問題は少し口にしただけで事故が起こるような製品で食品を扱う場所で洗浄や清掃をするのが一般的なこと、このような事故を起こす製品を販売することが合法な法律の不備ではないでしょうか。:https://www.oricon.co.jp/news/2401957/
合成界面活性剤は空気中やホコリの中にも存在し、喘息など多様な健康被害を起こしている
合成洗剤、または洗剤に含まれる合成界面活性剤を吸入すると、気道上皮細胞に直接作用して喘息のような気道の炎症を起こすこと、さらに、喘息様気道炎症を引き起こす洗濯用洗剤の成分として、界面活性剤が関与している可能性が明らかになりました。また、家庭内のホコリから洗濯用洗剤に含まれる界面活性剤が検出されました。
『洗剤に含まれる界面活性剤が喘息様気道炎症を誘導するメカニズムを解明 ~生活環境中の埃にも一定量の界面活性剤が存在することも明らかに~』(欧州アレルギー・臨床免疫学会の学術誌「Allergy」に5月10日に掲載):https://www.ncchd.go.jp/press/2023/0516.html
「家庭内の粉塵から検出された界面活性剤は、洗面所/脱衣所よりも、リビングの床やベッド(または布団)、ソファ(またはクッション)などで、多い傾向がありました。また、家庭内の粉塵から検出された界面活性剤の量は、家庭ごとに有意に異なることも明らかになりました。生活環境にある埃の中に界面活性剤が存在する理由は明らかにされていませんが、洗濯後の衣服にも界面活性剤は一定量残留することが示されている(文献5)ことや、家庭の中でも人が滞在する時間が長い場所の埃で比較的多く界面活性剤が検出されることから、衣服に残留する界面活性剤が埃の中に落ちている可能性が示唆されます。」

合成界面活性剤が関与する健康問題は多岐に渡りますが、大気中を漂う界面活性剤がドライアイを引き起こすことも指摘されています。
『メチレンブルー吸光光度法を用いる都市大気エアロゾル中陰イオン界面活性物質の迅速定量』:https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/62/7/62_589/_pdf
「最近になって、大気中にも界面活性物質が存在していることが報告され、人体や大気環境に及ぼす影響が注目されている。人体への直接的な健康影響として、涙膜の表面張力を減少させ、ドライアイを引き起こすことが指摘されている。」
合成洗剤の環境汚染は過去のものではなく、進行中
昭和の中期に合成洗剤に含まれるリンが湖沼海域の富栄養化を引き起こして水生生物に被害が出ました。川が合成洗剤で泡立つ様子がセンセーショナルだったので、その後合成洗剤は無リンになり、同時に泡があまり立たない成分が主流になりました。しかし、合成界面活性剤は「生分解性が良い」ものであっても、川が泡立っていなくても、多かれ少なかれ人体だけではなく、水生生物にも毒性があります。
『横浜市公害研究所 公害研資料 No. 91 魚の死亡事故の原因究明に関する研究報告書 1991』:https://city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/kankyohozen/kansoku/science/shiryo/sonotahoukokusyo/pub0091.files/0018_20191024.pdf
「イタチ川で発生した魚の死亡事故はポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の一種であるAEによって引き起こされた可能性が高かった。」
『東京都環境化学研究所ニュース No.12 合成洗剤(界面活性剤)の水辺環境に及ぼす影響』:https://www.tokyokankyo.jp/kankyoken_contents/assets/meeting/labo-news/news12.pdf
「4 界面活性剤の魚毒性 界面活性剤の水生生物に対する毒性は、生物の種類や成長段階、暴露日数、河川の水質などによって大きく異なります。ー 半数致死濃度(急性毒性を表す数値 LC50)1mg/L以下の水生生物もいます。界面活性剤の中では、石けんが全般的に見て最も毒性が低いという結果になっています」
「(2)魚類に対する亜急性毒性 水性生物に及ぼす界面活性剤の影響の評価に当たっては、長期暴露の影響評価も重要となります。このため餌を食べ始めたばかりのニジマス稚魚を対象として亜急性毒性(短期間の毒性調査)も実施していますー 亜急性半数致死濃度より低い濃度、例えばLASの場合には0.71mg/Lでも成長の阻害が確認されました」
合成洗剤に神経毒性、生殖毒性、発がん性のある物質が意図せずに入っている可能性
工業製品には、意図して添加していない化学物質も含まれています。製造時に香料の抽出に使用されたトルエンなどのVOCが残留していることがあります。『Dryer Vents: An Overlooked Source of Pollution?』:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3226517/)
「エコな洗剤」「安全な洗剤」や化粧品、歯磨き粉などによく配合されている合成界面活性剤SLS(ラウリル硫酸ナトリウム Sodium Lauryl Sulfate)やポリオキシエチレンラウリルエーテル 、C12-16 パレス、PEG( ポリエチレングリコール)は発がん性物質の1,4 ジオキサンを製造過程で生成することがわかっています。

“What’s Really Swimming In Your “Gentle” Laundry Detergent? Dioxane-free Start-up Brand Ingredients Matter Exposes the Truth Behind Big Brand Laundry”: https://kdvr.com/business/press-releases/cision/20220526CG69614/whats-really-swimming-in-your-gentle-laundry-detergent-dioxane-free-start-up-brand-ingredients-matter-exposes-the-truth-behind-big-brand-laundry/
しかし意図して添加したのではないこれらの残留物質、中間生成物は有毒であっても成分として公開する法的義務も業界の自主基準もありません。
合成洗剤の汚れ落ちの悪さが柔軟剤や消臭剤のマーケットを作り、問題を起こしている
合成洗剤+柔軟剤の洗濯は悪臭の原因になる
新しく開発され、CMが大量に流される合成洗剤は昔からある石けんよりも性能が良いと思われがちですが、実は洗浄力は石けんにはるかに劣ります。また、合成洗剤は石けんに比べてすすいでも落ちにくく、繊維に残ります。大手洗剤会社は盛んに「洗濯物の気になるニオイを消臭」「超抗菌」などと宣伝していますが、洗濯物のニオイがこれほど気になるようになったのは香害を起こす製品が販売されるようになった2008年頃からで、それ以前は普通に洗濯すれば洗濯物が臭うなどということはありませんでした。
合成洗剤で落としきれなかった汚れとすすぎ残された成分はそれだけでも悪臭の元になりますが、柔軟剤を使えばその汚れとすすぎ残しは香料や抗菌剤と共に繊維に接着され、層になって蓄積していきます。これが「男臭」「加齢臭」「部屋干し臭」「生乾き臭」「蓄積臭」の正体です。
これらの悪臭や、合成界面活性剤や抗菌剤などの薬品集、刺激臭、石油臭をカバーするために、ほとんどの合成洗剤や柔軟剤には「無香料」と明記してないかぎり、かなり強い香料が入っています。「柔軟剤を使っていないから香害にはなっていない」という誤解がありますが、合成洗剤にも香料や抗菌剤を封入したマイクロカプセルなどが入っていて「消臭・抗菌を長持ち」させているために、柔軟剤と同じように多くの健康被害を起こしています。
汚れは洗濯槽にも溜まり、そこにカビや雑菌も繁殖するので、洗濯物にそのカビや細菌、ニオイも移ります。このように、洗濯をするたびに衣類や寝具が汚れていくので、それを誤魔化すための香料や抗菌消臭剤を入れた柔軟剤や芳香ビーズなど加香剤、消臭スプレーが必需品のようになっていくわけです。最近は節水型のドラム式洗濯機が流行りですすぎ不足になりやすい上、すすぎ回数を減らすことを洗剤会社も家電メーカーもこぞって推奨するようになり、すすぎ不足も悪臭の原因になっています。
また、家電メーカーは合成洗剤や柔軟剤の自動投入コースのある洗濯機を販売しています。悪臭が生まれ、洗濯機の寿命が短くなる洗濯を推奨して、柔軟剤や加香剤、消臭剤のマーケットを作り、洗濯機の買い替え需要も見込める、ということかもしれません。
合成洗剤や柔軟剤は健康被害だけでなく、機械を壊し服を燃えやすくする問題もある
合成洗剤や柔軟剤の成分は機械の故障も起こします。柔軟剤が洗濯機の内部に溜まり故障させることは家電修理業界ではよく知られたことですが、柔軟剤を使っている洗濯機は内部が錆びていることもよくあるようです。どういう成分が原因になっているのでしょうか。
柔軟剤から揮発したシリコンなどの成分が原因のブレーキ不良のために乗用車が大量リコール、除湿乾燥機が製品内部のローターに吸着した衣類の香料などに含まれる有機物がヒーターで加熱されて発火した事故による大量リコールも起こっています。
ロイター『SUBARU、世界約226万台に不具合、全数リコールなら同社最大』:https://jp.reuters.com/article/idUSKCN1QI3H5/
産経新聞『パナの衣類乾燥除湿機163万台リコール 発火の恐れ 2023/4/20 』:https://www.sankei.com/article/20230420-BPESONKRKVJVVBVN6CVOQVEHLA/
消臭スプレーや柔軟剤などを使用し続けると、服に汚れと成分が蓄積していきます。徐放技術に使われる多くの成分は油性で、繊維に蓄積すると服が燃えやすくなります。高齢者が炊事をする時に袖に火がつきやすくなったりするだけでなく、災害時、避難する時に燃えやすい服を着ていることは大きなリスクではないでしょうか。“The effect of household fabric softener on flame resistance of cellulosic fabrics”:https://www.researchgate.net/publication/261152977_The_effect_of_household_fabric_softener_on_flame_resistance_of_cellulosic_fabrics
後述する徐放技術に使われる超微粒子は、ナノサイズのものもあり柔軟剤や香料・抗菌長持ち洗剤などを使用している人の体や下着から防護服を貫通して飛び散る可能性があります。
クリーンルームが必要な産業、例えばレンズや精密機器の分野でもニュースになってはいませんが、マイクロカプセルが原因ではないかと思われる製品の不良が出ていると現場からの声が上がっています。原子力発電所や医療機器、エレベータや飛行機、自動車など乗り物を制御するコンピューターなど人命を支える精密機器に不良が起こって人命が失われたり、大事故が起こったら洗剤会社は責任を取ることなどできません。そのような可能性のある製品を製造販売し続けることはあまりにも無責任ではないでしょうか。
2024年7月には芳香ビーズを貨物室に搭載したBAのジャンボジェットの乗員が「洗濯用品の臭い」でめまい、頭痛、吐き気を訴え緊急着陸しました。8月にはデルタのパイロットを含む乗員乗客が客室の「臭い」で体調不良になりボストンに引き返して病院で受診しました。
BUSINESS INSIDER “An Airbus A380 flying to London turned back when the powerful scent of laundry detergent made people feel sick and dizzy ” Jul 16, 2024:https://www.businessinsider.com/british-airways-a380-diverted-as-smell-of-laundry-beads-filled-cabin-2024-7?utm_medium=referral&utm_source=yahoo.com
リスクの多い合成洗剤と、リスクフリーの石けん洗剤
このように、合成界面活性剤が主成分の合成洗剤には様々なリスクと欠点があります。欠点を補うための柔軟剤や消臭剤にもリスクがあります。それに対して、石けんは人体や生物に無害で、環境中に放出されると半日で90%以上が分解され、微生物や魚の餌になります。ある石けんメーカーでは職人さんが製造過程の石けんを口に含んで製品の出来を確かめています。石けん洗剤は汚れがよく落ちるため、柔軟剤や消臭剤、香り付けビーズなども不要になります。安全なだけでなく経済的でもあります。
飲み込めば昏倒、死亡する、現液が皮膚に付けば皮膚炎、目に入れば角膜を損傷する合成洗剤で食器や衣類、寝具を洗うよりも、予防原則に従ってリスクのある合成洗剤を避け、石けんのように長い期間使われて安全性が確立しているものを使うことが簡単で経済的に健康を守る方法です。
生活クラブ北海道『石けんと合成洗剤の違い』:https://www.s-coop.or.jp/environment/sekken/se1.html
石けん:水性生物によって速やかに分解されます(下水処理場で完全分解)。せっけんは魚のエサになります。
合成洗剤:水生生物の成長や繁殖を阻害します。 下水処理場で完全に分解されずに河川に放流されます。 分子構造が複雑なので、分解しにくい成分が環境に堆積します。30年前の成分が東京湾に堆積しています。
米国では石けん洗剤は合成洗剤に駆逐されてしまいました。日本の石けんを守りましょう。これが米国で「エコで安全な洗剤」として広く売られているものです。EWG ‘s Guide to healthy cleaning : https://www.ewg.org/cleaners/products/2420-SeventhGenerationNaturalLaundryDetergentFreeClear/
人口の30%が化学物質過敏症であるとされる香害先進国、米国の香害事情についてのレポートはこちらです。02-1_1_02 香害先進国 米国の香害事情
合成香料や消臭・抗菌成分を長持ちさせる徐放技術ー香料の毒性、マイクロカプセルなど超微粒子が人体や環境に蓄積する危険
現在市場に流通している香料の90%以上は石油由来の合成香料で、国際香粧品香料協会(IFRA)が香料の原料として公表している3,000の化学物質のうち半数はアレルゲン、神経毒性、変異原性、発がん性、環境ホルモン作用などの毒性があり、アレルギー、乳がん、婦人科系の疾病、生殖障害(特に男性)、皮膚病、神経系障害、片頭痛などの原因になります。毒性は主に皮膚への影響が調べられており、吸引した時など他の毒性はほとんど検査されていません。香料に使われる化学物質の問題点については02-2_1_01 香料成分の毒性と規制を参照してください。
香料や消臭・抗菌成分を長持ちさせるための徐放技術には様々な問題がありますが、まずミクロンサイズ、ナノサイズの超微粒子が洗濯時だけでなく、洗濯した服や寝具から長期間に渡って大量に、少なくとも数十メートル、風に乗ればもっと遠くまで飛散し、超微粒子なのでいつまでも漂っているのが問題です。
超微粒子は破裂して中身を放出しながら飛散、または破裂せずに飛散して落ちた場所に付着、あるいは使用者の衣類や手から直接別の物に付着してそこでも中身を放出し、健康被害や器物破損を起こしています。移香と呼ばれる現象です。交通機関や公共の場の椅子に座った人のお尻の部分に、前に座った他人の服から椅子に移った香料微粒子が移香して香ってしまう現象は「ケツフローラル」と呼ばれていますが、移香は洗濯してもなかなか落ちません。加害の意図なく起こる器物損壊と言える事例です。
このような超微粒子と破裂したかけら、中身の有毒化学物質を使用者が吸引するだけでなく、他人が強制的に吸引させられ続けることには深刻な健康リスクがあります。キャップ一杯に「独自極小消臭成分」が1億個(https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP527956_Q0A130C2000000/) 入っているとうたう製品もあります。
徐放技術にマイクロカプセルが使用される場合は、メラミン樹脂やウレタン樹脂といったプラスチックなどで作られていることも問題です。カプセルは服や人体、あらゆる表面に強力に接着し、温度変化、摩擦などで壊れ、PM2.5以下の超微粒子のプラスチックのかけらになり、中身を放出しながら周り中に飛び散ります。「香害をなくす議員の会」と「香害をなくす連絡会」が日本石鹸洗剤工業会へ送った柔軟剤・洗剤の安全性に関する質問状に、マイクロカプセルの問題点が指摘されています。『マイクロカプセル技術が使用された貴工業会所属会社の香りや消臭・抗菌をうたった柔軟剤・合成洗剤の安全性について』:https://nishoren.net/wp/wp-content/uploads/2024/11/ced1ab0f22fa1f0af7be4f79efebe7d0.pdf
合成香料や抗菌剤、吸着した汚染物質などと共に吸い込まれたマイクロカプセルなどの超微粒子が肺に蓄積する危険性、回収不能な形で大気を汚染、80%が下水処理場を素通りして水循環や土壌に蓄積、汚染することが心配されています。全国で釣った魚や貝類、河川や海から柔軟剤のような香料のにおいがすることが報告されています。02-2-4_01_香料の環境汚染_2021
EUは2023年9月25日に、洗濯用品を含め、マイクロプラスチックを製品に配合することを禁止しました。今年10月17日のラメとマイクロビーズ禁止を皮切りに、段階的に法規制が施行されます。日本でも多くの健康被害を出しているマイクロカプセルを禁止するべきです。ECHA(European Chemicals Agency) ”Microplastics”:https://echa.europa.eu/hot-topics/microplastics
マイクロカプセルなどの超微粒子が肺や脳など内臓や血管に蓄積して病気の原因になるリスク
近年、マイクロプラスチックによる環境汚染が問題になっていますが、合成洗剤や柔軟剤、芳香剤やヘアケア製品など「香り/抗菌・消臭が続く」日用品にもマイクロプラスチックが使われています。マイクロプラスチックは人体の肺、脳や心臓、血液から検出されています。しつこい咳に悩まされる人が増えていますが、花粉よりも小さいマイクロカプセルなどの超微粒子を吸引することにより、喘息、慢性気管支炎、肺気腫などの肺や呼吸器の疾患という健康被害が増えていく可能性があります。
日経ヘルス2022/7/19 『大気中マイクロプラスチック研究の第一人者に聞く、健康への影響ーある程度大きいマイクロプラスチックならうがいや鼻洗いで除去できるが、それ以下の粒子は肺にまで入り込むということを示唆した重要な知見と捉えている』:https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/column/20/060500006/071200058/
環境汚染の研究を行う早稲田大学創造理工学部の大河内博教授は、新宿の空気中に実際にペット、ポリプロピレンやポリスチレンなどのマイクロプラスチック(以下、マイクロプラ)を検出している。目に見えないほど小さく軽い大気中のマイクロプラは「食べ物、飲み物、空気という3つの経路から体内に入るが、健康リスクとして懸念されているのが吸気からの暴露」と大河内教授。
ブラジルで行われた剖検では、20検体のうち13検体の肺組織から粒子状のポリプロピレンやポリエチレンが見つかり、粒子サイズは5.5μm未満だったという(*1)。中国では呼吸器疾患患者の痰から20〜550μmのマイクロプラが合計21種類検出された(*2)。「ある程度大きいマイクロプラならうがいや鼻洗いで除去できるが、それ以下の粒子は肺にまで入り込むということを示唆した重要な知見と捉えている」と大河内教授。
大気中マイクロプラは屋外だけでなく室内にも存在する。室内空気からの吸入量をマネキンを用いて実験した研究では、1m3あたり2個から6個、合成繊維の洋服に多いポリエステルが多かったという(*3)。
大河内教授は「健康への影響に関する研究は始まったばかり」としながらも、「繊維状のマイクロプラが肺でアスベスト(石綿)と同じように損傷をもたらす可能性も考えられる。また、プラには素材の性能を高めるための添加剤が含まれている。大気中で有害な有機物や重金属が付着し濃縮されている可能性も。マイクロプラは有害物質の運び屋となる可能性がある」と指摘する。
さらに微細なナノサイズ(1mmの1万分の1未満)になると、細胞膜を通過し、肺から全身に回る可能性も。「健康影響が明らかになる前にリスクを予測したい」と大河内教授は言う。
4μm以下のマイクロプラは肺胞まで到達する
最近の研究で人体のあらゆる場所からマイクロプラスチックが相次いで発見されていますが、最近公開された研究結果は、血管に入り込んだマイクロプラスチックが、血液の流れを阻害するなどして、血栓として作用できる可能性を示しています。毎日大量に吸い込んでいる合成洗剤や柔軟剤に入っているマイクロカプセルなどの超微粒子が肺から血流に入って脳や血管に溜まっていくリスクは考える必要があるのではないでしょうか。
『脳から「衝撃的」な量のマイクロプラを発見、認知症ではより多く しかも8年間で約50%増加、認知症との因果関係は不明、米研究』:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/25/020500065/?ST=m_news
「マイクロプラスチックとナノプラスチック(さらに小さい直径1~1000ナノメートル)は、人間の肝臓や腎臓よりも高い濃度で脳に蓄積されることが判明した。」
『脳血管に蓄積したマイクロプラスチック、血栓になり認知・運動能力に悪影響』:https://japan.hani.co.kr/arti/culture/52278.html?utm_source=yahoo&utm_medium=referral&utm_campaign=headlines&utm_content=20250208
「注射を通じて直接血流に注入した場合は10分以内に、脳の血管からマイクロプラスチックを発見」
ナショナルジオグラフィック『解説:マイクロプラスチックと心臓発作や脳卒中が関連、初の証拠 動脈の壁にたまった沈着物にプラ粒子、死亡を含むリスクに約4.5倍の差
2024.04.16』:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/041500211/
元論文 ”Microplastics and Nanoplastics in Atheromas and Cardiovascular Events”:https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2309822
洗濯物から飛び散る極小微粒子が周囲に付着、付着先でも中身を放出する「移香」現象が香害を拡大
香料や抗菌剤を長持ちさせる徐放技術のために使われているマイクロカプセルなどの極小微粒子は、PM1~2.5の黄砂や10~100μm(マイクロメートル)の花粉より小さいサイズで、数μm~数十µmという超微粒子です。入れ子構造になっているものもあり、1μm以下のナノカプセルも観測されていますし、それらが破裂したかけらはナノサイズのマイクロプラスチックになっていると思われます。
早稲田大学・大河内研究室@LabOkochi「柔軟剤入りで洗濯して部屋干して洗濯物を叩くと,潰れたマイクロカプセルと,その中からさらに小さい顆粒が多数放出.洗濯排水からも同じものが見つかってます。これが何かを今後調べます」:https://twitter.com/LabOkochi/status/1617657865728331776
こちらは採取された上から二段目:https://twitter.com/LabOkochi/status/1617658260252930051
香料・抗菌を長持ちさせるための極小微粒子は、香害を起こす製品を使う家から近隣に漂い、他人の家に侵入してそこに付着したり、製品使用者の服から飛び散って他人の体や服、持ち物、公共物に付着する「移香現象」を起こし、香害被害が拡大しています。このマイクロカプセルなどの極小微粒子は移香した先でも中身を放出しつづけますが、強力に接着するので、通常の洗濯で落とすことができません。
嗅覚には大きな個人差があり、加齢や病気、嗅覚疲労で嗅覚が機能していない人は多い
スーパーの食品(卵やパッケージ、野菜など)やお札からも柔軟剤が古くなったような香料臭がしています。嗅覚に問題があったり、香害を起こす合成洗剤や柔軟剤をご本人が使っている場合、使っている人がいる場所では嗅覚疲労を起こしていて何もにおわないかもしれませんが、嗅覚が正常であればかなり強いニオイを感じるはずです。下記は喫煙者が自分のタバコのニオイがわからない嗅覚疲労を説明したチラシの文言ですが、香料でも同じことが起こります。
『タバコの正体第7話』「私たちは鼻の奥にある嗅毛でニオイをキャッチし、その信号が脳に送られてニオイを感じるわけです。これが嗅覚なのですが、嗅覚には同じニオイをしばらく嗅いでいると、そのニオイを感じなくなくなってしまう性質がある事を知っているでしょうか。この現象は“嗅覚疲労”と呼ばれ、嗅覚器は他の感覚器官に比べ著しく疲労しやすいそうです。」:https://www.jascs.jp/truth_of_tabacco/pdf/weekly_truth_of_tabacco_499.pdf
環境省の嗅覚についての研究でも嗅覚疲労が説明されています。また、色について色盲、色弱があるように、においについても嗅盲、嗅弱があることにも言及しています。環境省『5.5 感覚への影響(嗅覚)』:https://www.env.go.jp/earth/coop/coop/document/02-apctmj1/02-apctmj1-055.pdf
嗅覚には視覚や聴覚を遥かに超えた非常に大きい個人差があることも知られています。自分があるにおいをわからないからといって、そこに化学物質がないことにはなりません。『嗅覚と化学:匂いという感性』「~そうでない人に比べて 100 倍薄い濃度の β-イオノン を感知することができる。」:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/65/10/65_524/_pdf/-char/ja
嗅覚は視覚や聴覚以上に加齢によって弱っていきます。
香害をなくそうさんの投稿:「NHK9/11「トリセツショー」では「嗅覚」について放送していました。嗅覚の衰えに関する内容なので、直接香害とは関係ありませんが、嗅覚の衰えは気づきにくく、石川県で65歳以上を対象として、自分の「嗅ぐ力」について認識を尋ねたところ、91.5%の人が「正常」と認識していたが、実際に検査をしてみると、正常だった人は32.6%。残り67.4%の人が嗅覚に「異常」があり、嗅覚の自己申告と検査結果の違いが明らかになったそうです。」:https://www.facebook.com/KougaiStop/posts/1299117431999620
ご自宅の棚の上、照明器具のカバーなどのホコリのニオイを嗅いでみてください。台所でもないのにベトベトしていたり、覚えのない香料臭や抗菌剤の刺激臭がするかもしれません。それも移香です。佐賀大学の研究で、ハウスダストからも柔軟剤のにおい物質が検出されています。
佐賀大学大学院農学研究科 論文『におい嗅ぎガスクロマトグラフィーを用いたハウスダスト中マイクロカプセル化香料の検索』:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/51/5/51_319/_article/-char/ja/
香害記事/報道 マスメディア2024 『週刊金曜日』2024年2月9日号に香害が空気や椅子などを通じて他人に広がって健康被害、器物破損を起こす移香現象の特集が掲載されています。
日本消費者連盟のウエブサイトに、下記の日本石鹸洗剤工業会に提出されたマイクロカプセル香害署名に関する質問状に添付された『移香アンケート回答結果集計』があり、444件もの移香被害が掲載されています。『移香アンケート (WEB調査)実施期間:2022年1月22日〜2022年2月11日』:https://nishoren.net/wp/wp-content/uploads/2024/11/528e87c186634c2d4ff2af0e6ceb0e57.pdf
マイクロカプセルなどを使用した「徐放技術」にどんな化学物質がどのように使用されているのかはブラックボックス
マイクロカプセルや「極小消臭成分」などの超微粒子に使用している素材の化学物質名が公開されていないことも問題です。素材がプラスチックではなく、生分解性プラスチックやセルロースなどであったとしても、架橋剤や防腐剤など添加物や中身の香料や抗菌剤の毒性、超微粒子を吸引することや徐放作用による健康被害の問題は全く解決しません。「マイクロカプセル」はP&Gの登録商標なので、花王やライオンは「繊維のすみずみまで極小消臭成分と抗菌成分が吸着」「衣類を着用している間もしっかり消臭しつづけ、“しつこい汗臭・脂臭まで、着用中ずーっと無限消臭”」などという文言で徐放技術を宣伝しています。3社とも、徐放技術に使用する化学物質名はごく一部しか公開していません。
「極小消臭成分」など徐放技術にはマイクロカプセル以外にもデンプンから作ったオリゴ糖が原料のシクロデキストリンという化学物質が使われています。底も蓋もないバケツ型の超微粒子で、機能性を高めるためにさまざまな化学物質と化合させて合成します。「シクロデキストリンはオリゴ糖だから天然素材100%で安全」のような印象がありますが、素材の化学物質名はほとんど公開されていません。プラスチックが架橋剤(つなぎ)として使われることもあり、シクロデキストリン使用だからプラスチックフリーとは限りません。
シクロデキストリンは0.5~0.8ナノメートル(nm)のウイルスの100分の1というサイズのナノマテリアルであり、吸い込むことの健康リスクが心配されます。GHS分類基準にも該当しておらず、健康や環境への危険情報のデータが少ないですが、消臭剤、香料、農薬の安定化剤などによく使われるメチル-β-シクロデキストリンの安全データシートには「火災時の特有の危険有害性 熱分解は刺激性で有毒なガスと 蒸気を放出すること がある」との記載があります。
『FUJIFILM メチル-β-シクロデキストリン安全データシート』:https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0232-8425JGHEJP.pdf
「ファブリーズ」はメチル化β-シクロデキストリンを使用しています。シクロデキストリンの製造メーカーのサイトには「環状オリゴ糖が湿気を感知すると、それがスイッチとなって徐々に香料や除菌成分が放出され、代わりに悪臭のもとを包接してマスキング消臭するのです」とあります。:http://www.cyclochem.com/cdproducts/006.html
「ソフランプレミアム消臭ウルトラゼロ」には、「高度分枝環状デキストリン」が使われています:https://www.lion.co.jp/ja/products/532
「ニオイを感知させない日本初※1テクノロジーを搭載した次世代の柔軟剤。※1 柔軟剤分野内、高度分岐環状デキストリンと特定香料群による消臭技術(先行技術調査2020年9月 当社調べ)」
マイクロカプセルなどによる徐放技術はどのようなものか、どのように健康被害や環境汚染を憎悪していることについてこちらの署名の記事をぜひ参照してください。このページ下方の「この署名活動のお知らせ・最新状況をもっと見る」をクリックすると、マイクロカプセルについての情報などの記事へのリンクが表示されます。この署名は今でも署名可能です。現在も署名が増え続けています。<STOP!マイクロカプセル香害> メーカーは「マイクロカプセル香料」などの「長続き」製法をやめてください!「マイクロカプセル香料」とは何?

香害をなくす議員の会、香害をなくす連絡会とカナリア・ネットワーク全国[CAN]は2024年に日本石鹸洗剤工業会に上記の「STOP!マイクロカプセル香害」に寄せられた9000近い署名を提出しました。その際に地方議員10数人とともに面会を申し込みましたが断られ、その後何度か面会を申し込みましたが断られて書面での質問には回答するとのことで3回質問を送り、書面で回答を得ましたが、工業会が主張する「安全性」が一体何を示しているのか具体的には示されませんでした。しかも、「移香」について認識していないことを繰り返し、また、カプセル香料の使用を中止する動きもない様子で2025年2月現在まで8889筆の署名を一顧だにしない姿勢を貫いています。
日本消費者連盟『日本石鹸洗剤工業会への質問と回答の要約』:https://nishoren.net/new-information/20665
カナリア・ネットワーク全国[CAN]『日本石鹸洗剤工業会からの回答 2025.02.14』:https://canary-network.org/news/kogyokaikaitou/
2024年8月にNHKWEBでマイクロカプセル香害についての報道がありました。「柔軟剤の一部の製品を詳しく調べたところ、メーカーが指示する適正な使用量で洗濯した場合、およそ42万個のマイクロカプセルが洗濯物に付着していることが分かりました。(0.8キロの洗濯物に対し、柔軟剤5.4ミリリットル使用)」『柔軟剤 香りで体調不良の相談増加なぜ?マイクロカプセルが…』:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230801/k10014147781000.html

抗菌剤、蛍光増白剤、香料の保留剤など毒性のある添加物
香料を長持ちさせる保留剤に環境ホルモンのフタル酸エステル類が使われている
香料には長く香らせるための保留剤としてフタル酸エステル類(phthalates)が配合されることもありますが、これはプラスチックの可塑剤でもあり、おもちゃや食品を扱う手袋などへの使用が日本、EU、米国で禁止されています。
フタル酸エステル類のうち、フタル酸ジブチルとフタル酸ジ-2-エチルヘキシルは、厚労省がシックハウス症候群の原因となりうる物質の一つとして、室内濃度指針値を設けている13の化学物質に、ホルムアルデヒド、キシレン、トルエンなどと共に指定されています。厚労省『室内空気中化学物質の室内濃度指針値について 中間報告書―第23回までのまとめ』(2019.1.17):https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc3866&dataType=1&pageNo=1
フタル酸エステル類が香害によるシックハウス症状の一因になる可能性もあります。
『平成 26 – 27 年度 科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)』 211ページ:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000155147.pdf
フタル酸エステル類は環境ホルモン(内分泌かく乱物質)なので、生殖毒性があります。ホルモンが関係する早発月経など思春期の子供への影響、乳がんや子宮筋腫、子宮内膜症、男児の性器の先天異常、成人男性の精子や男性ホルモンの欠乏、子どもの肥満やぜんそく、心血管疾患、がんなどとの関連が指摘されています。また、胎児の発達不全、喘息やアレルギーの原因になります。人間だけではなく、環境中に放出されると野生生物のメス化など、生態系にも影響を与えています。
EUでは2022年にDEHP, DBP, and BBPなどのフタル酸エステルを香水を含む化粧品に配合することを禁止しました。日本では玩具、食品用器具・容器包装にのみ規制がありますが、香料に添加するフタル酸エステルの規制はまだありません。また、消しゴムなどのプラスチック製雑貨にも規制なく配合されています。島津テクノリサーチ『フタル酸エステル類関連規制』:https://www.shimadzu-techno.co.jp/annai/tes/s01_05.html
フタル酸エステル類が子宮筋腫を促進するという研究があります:ナショナルジオグラフィック『プラや化粧品の化学物質が子宮筋腫を大きくする、しくみを解明「どこにでもある化学物質」フタル酸エステルの代謝物と分子の働きを特定 2023.01.20』:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/011700025/
また乳がん患者の尿から有意に高い濃度のフタル酸エステルが検出されたという研究もあります。『エアゾール式芳香剤・消臭剤に含まれるフタル酸エステル類の分析とその暴露評価』:https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/135/4/135_14-00193/_pdf
抗菌・消臭洗剤に配合される抗菌剤の問題
この記事の冒頭で触れた第四級アンモニウム塩の中でも、医療機関で殺菌剤として使用される塩化ベンザルコニウムは非常に毒性が強く、使用に注意が必要な化学物質ですが、消臭抗菌をうたう柔軟剤、消臭・抗菌スプレー、消臭抗菌ワイプや雑貨などは第四級アンモニウム塩が入っていても物質名、含有率などの法的開示義務は一切ありません。消臭・抗菌をうたうスプレーなどには「抗菌剤」「有機酸」「トウモロコシ生まれの有効成分」などの曖昧な成分表示がよく見られますが、「Quat(クウォット)」は第四級アンモニウム塩総称の英語名の一般的略称です。(参考:ファブリーズ安全性・成分:https://www.myrepi.com/home/cleaning/febreze-faq-safety/)
第四級アンモニウム塩などの抗菌剤が看護師のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のリスクを上げるという研究があります。
『米看護師健康研究(NHS)データで示す、消毒剤のCOPDリスク』:https://www.medicalonline.jp/review/detail?id=2938「消毒剤への曝露は、喘息・喫煙の調整後で看護師のCOPD発症リスクを25~38%増加させた。COPD発生リスクと有意に関連した消毒剤(aHR:1.25~1.36)は、グルタルアルデヒド・漂白剤・過酸化水素・アルコール・第四級アンモニウム化合物であった。」
殺菌剤のグルタルアルデヒドはボールド ジェルの成分表に「安定化剤」として記載されていたことがありますが、現在のサイトには記載はありません。記載がなくても開示義務が生じない量が入っている可能性もあります。https://jp.pg.com/ingredients/bold/ P&Gアメリカのファブリーズにも入っていたものがあるようですが https://www.nehemiahmfg.com/wp-content/uploads/Febreze-Laundry-Odor-Eliminator-Maximum-Strength.pdf 現在流通している製品に全く入っていないのかどうかは「企業秘密になるもの」などはカリフォルニア州の「洗浄剤の内容を知る権利法」でも除外され、義務がないので不明です。
この殺菌用の毒性の強い第四級アンモニウム塩を使って衣類に蓄積している異臭を落とす方法がネットに流れていますが、接触皮膚炎などの被害が出ています。病院で殺菌に使う薬品を家庭で洗濯に使うべきではありません。非常に危険です。
『洗濯衣類消臭目的のオスバンSⓇ(塩化ベンザルコニウム)不適切使用による接触皮膚炎の2例』:https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/133/9/133_2169/_article/-char/ja/
蛍光増白剤は口や肌に触れるものに使用する事が禁じられているのに洗剤には配合されている問題
蛍光増白剤は、衣類を白く染めることによって「輝く白さ」にする化学物質で、汚れを落として白くするものではありません。蛍光増白剤は食品衛生法、薬機法、薬局法、JIS規格によって、口や肌にに触れるものに使用することが禁止されていますが、洗剤には全く規制なく配合されており「蛍光増白剤」とだけ記載すれば良いので、どんな化学物質が使われているのかもわかりません。そんなもので肌着やおむつ、ふきんやタオルを洗っても大丈夫なのでしょうか。
『約8割が「蛍光増白剤」に関する法規制の認知なし 洗濯物を白く見せる「蛍光増白剤」認識の実態調査』:https://www.atpress.ne.jp/releases/102191/att_102191_1.pdf
蛍光増白剤の使用が禁止されている物
薬 機 法 :紙おむつ・ティッシュペーパー
食品衛生法 :すべての食品・キッチンペーパー・ふきん・紙コップ
薬 局 方 :ガーゼ・マスク・脱脂綿
【活動報告】「蛍光増白剤のブラックライト実験」 ~あいコープみやぎ~:https://sekkennet.org/cat3/729/
合成洗剤や柔軟剤などから揮発する揮発性有機化合物(VOC)の問題
VOCは光化学スモッグの原因物質のひとつで、トルエンやキシレンなど、よく使われるものだけでも約200種類あると言われています。トルエンやキシレンは中毒性があり、吸引しているうちに依存症を起こし、回復不能の脳障害を起こす恐れがあります。皮膚からも吸収されるため、危険性が高いと言われます。
中国の1万人以上を対象にした研究によって、芳香剤の使用が高齢者の認知機能の低下と関連していることがわかりました。芳香剤に含まれる揮発性有機化合物(VOC)を取り入れ続けることでアルツハイマー病のリスクが高まる恐れがあるとのことです。
『芳香剤、実は分類上「空気汚染」アルツハイマー病のリスクとも関連』:https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/164824
トルエンやキシレンなどのVOCは香料の抽出に用いられており、製品に残留することが知られていますが、意図的に添加したものではないので成分としては全く記載されません。いずれもPRTR制度の第一種指定化学物質です。香料入り製品、柔軟剤からはVOCが多種類揮発しています。香料化学物質も揮発性があります。エチルベンゼンは香料材料として入っていますし、柔軟剤・合成洗剤に広く使われている α-ピネン(松の香り)、β-ピネン(木の香り)などのテルペン類は空気中でPRTR制度の第1種指定物質 ホルムアルデヒドに変化する可能性が指摘されています。また合成界面活性剤の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸類も排出上位10位です。
環境省『PRTR市民ガイドブック PRTRデータを読み解くための市民ガイドブック化学物質による環境リスクを減らすために~令和4年度集計結果から~』:https://www.env.go.jp/chemi/prtr/archive/guidebook.html このガイドブックの第3章「PRTRデータ」P23 :「届出排出量・届出街排出量の合計が多い上位10物質(排出量が多い順)」
トルエン
キシレン
エチルベンゼン
ノルマルーヘキサンポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル
ジクロロメタン(別名塩化メチレン)
1,3ジクロロプロプロペン(別名D-D)
トリクロロニクロメタン
ホルムアルデヒド
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩
香料は一般に思われているような安全なものではありません
香料から揮発する物質には毒性が強いものが多く、アセトアルデヒド、BHA、BHT、塩化メチル、オイゲノール、エタノールアミン、メタノール、合成ムスク類、エチルベンゼン、1,4-ジオキサン、酢酸ビニルなど発ガン性や生殖毒性・発達毒性のあるもの、スチレンは赤血球と肝臓への毒性、サリチル酸ベンジル、安息香酸ベンジル、ブチルフェニルメチルプロピオンなど皮膚や目に刺激のあるもがあります。安息香酸ベンジル(BENZYL BENZOATE ベンジル ベンゾアート)は、PRTRの第一種指定化学物質で、有害性が高いですが配合している合成洗剤や柔軟剤があります。
精油も「天然」「オーガニック」と称していても天然のエッセンシャルオイルが何%配合されているかは分かりません。また精油は一般的に天然由来であってもアレルギーを引き起こすもの、子供や妊婦、病人に禁忌のものがあります。当館記事「02-2_1_01香料成分の毒性と規制」もご参照ください。
環境中に放出された香料は個人レベルの被害を超え、実際に大気汚染の原因になり、水棲生物など生態系に蓄積され、母乳を介して乳児に移行していることがわかっています。環境省は家庭用品から排出されるVOCについて推計を始めていますが、香料や防虫剤などは大気汚染の原因になっているというエビデンスがありながら、推計の対象外としています。このような物質が入っている柔軟剤や合成洗剤などを使用した衣類を肌につけ、「よい香り」を吸引しているうちに、香料だけでなくトルエンのようなVOCの中毒・依存症になる可能性も考えられます。(関連記事 02-2_3_02 香料の環境汚染)
家庭用品のVOCに関する資料
「東京都環境局 暮らしの中のVOC」:https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/air/air_pollution/voc/voc_life/index.html
『化学物質の環境リスク初期評価(平成9~12年度)結果[39物質][9] キシレン – 1.物質に関する基本的事項』 環境省:https://www.env.go.jp/chemi/report/h14-05/chap01/03/09.pdf
「本物質の主な用途は、異性体分離により p-キシレン、o-キシレン、m-キシレン、エチルベンゼン、脱メチルによりベンゼン、合成原料として染料、有機顔料、香料、可塑剤、医薬品、溶剤として塗料、農薬、医薬品など一般溶剤、石油精製溶剤である 1)。」
食品安全委員会『トルエンの概要について』(2008/11/12) : https://www.fsc.go.jp/emerg/toluene.pdf 「トルエンの用途は、染料、香料、火薬(TNT)、有機顔料、合成クレゾール、甘味料、漂白剤、TDI(ポリウレタン原料)、テレフタル酸、合成繊維、可塑剤などの合成原料、ベンゼン及びキシレン原料、石油精製、医薬品、塗料・インキ溶剤等である。ヒトにおけるトルエンの主な暴露経路は、大気からの吸入である。また、飲料水からの摂取も想定され、水道法の水質管理目標値(0.2 mg/L)が定められている。」
「有機溶剤は何故毒性が高いの? – 三協化学株式会社」:https://www.sankyo-chem.com/wpsankyo/2227
「これらは中毒性があったりシックハウス症候群を起こす原因にもなります。 継続的に吸入したりすると最悪回復不能の脳障害を起こす恐れもあります。 呼吸器や消化器からだけでなく、皮膚にその物質が付着すれば皮膚からも取り込まれやすいため危険性が高いと言われています。」
よく誤解されますが「有機」とは炭素を含む化合物という意味であり、安全な物質という意味ではありません。VOC, Volatile Organic Compoundの「オーガニック」も「炭素を含む」という意味です。柔軟剤から揮発するVOCについての研究の論文が発表されています。
合成洗剤や柔軟剤などの日用品、食品、化粧品の成分表示の問題
柔軟剤や合成洗剤にはその他にも泡調整剤、防腐剤、安定剤、着色料などさまざまな添加物が配合されています。石けん洗剤や合成洗剤、漂白剤などは家庭用品品質表示法の指定品目なので、界面活性剤やリン酸塩、炭酸塩など古い時代から使われているいくつかの成分については化学物質名と含有率などに限定的な成分開示義務がありますが、最近の日用品によく使われる化学物質については表示義務がありません。
柔軟剤や消臭剤など、家庭用品品質表示法が出来た後に開発、発売された新しい種類の日用品には家庭用品品質表示法による成分表示義務は全くありません。この古い法律は現代の日用品をカバーしていないことから、現在ラベルやメーカーのウエブサイトに公表されている成分は業界の自主規制にまかされており、全成分ではなく一部に過ぎません。また含有量や詳細な化学物名が公開されていないものがほとんどで、また製造過程で出来る中間生成物や残留物質は全く記載されておらず、メーカーの公開情報は参考程度にしかなりません。
消費者庁『雑貨工業品品質表示規程(二十七 合成洗剤、洗濯用又は台所用の石けん及び住宅用又は家具用の洗浄剤)』
香害をなくす連絡会や東京・生活者ネットワークなど市民団体が柔軟剤や除菌消臭剤なども指定品目に加えるよう何度も消費者庁に要望書を出していますが、2025年2月現在、指定品目にする必要はないとの回答しか得られていません。
洗濯用品だけでなく、食品、化粧品についても、香料として一体どんな化学物質が何種類、どのくらいの量で配合されているのかは企業秘密として公開されず、「香料」とだけ記載されているものがほとんどです。しかし、香料として日常的に使用されている化学物質は3,000種類以上あり、それぞれの化学物質の毒性は単独でのテストしか行われておらず、複合的、長期的に使われた場合の毒性はメーカーサイドでも不明だと言われています。
日本消費者連盟は、2018年12月11日に、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、化学物質過敏症支援センター、香料自粛を求める会、日本消費者連盟関西グループ、反農薬東京グループと連名で、花王株式会社、ライオン株式会社、P&Gジャパン株式会社に対し、「洗濯用合成洗剤、柔軟仕上げ剤など家庭用品の全成分開示を求める要望書」を送りました。メーカーからは「検討する」「前向きに検討する」との回答がありましたが、2025年2月5日現在、全成分は開示されていません。
洗濯用合成洗剤、柔軟仕上げ剤など家庭用品の全成分開示を求める要望書に対する回答書(2019.1.10)https://nishoren.net/new-information/10962

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